日本統治時代「幻の名画」『アリラン』 製作90年記念し「反日要素やや強調」のリメーク版を上映 4日まで東京・神保町で
産経ニュース 2016.3.1 09:40
朝鮮民族の伝統民謡で世界無形遺産にも登録された「アリラン」。中でも日本統治時代の1926年に製作された朝鮮映画「アリラン」(羅雲奎監督・主演)の主題歌をベースに誕生したアリランが有名だ。その幻の名画を「南北」ともが懸命に探しているが、いまだ見つかっていない。製作から90年を記念し、きょうから4日まで、東京・神保町のブックカフェ「チェッコリ」でリメーク版の上映会が開かれる。
映画「アリラン」はモノクロの無声映画。三・一独立運動で拷問を受け、精神に異常をきたした元大学生の主人公が地主の圧政に敢然と立ち向かうストーリー。逮捕された主人公に向けて村人たち(実際には映画館にいる歌手など)が「アリラン」を歌うラストが印象的だ。
反日的とも取れる内容を含みながら、当局の検閲をパスして公開され、映画は大ヒット。主題歌のアリランも広まっていく。当時の「表現の自由」をはかる意味でも重要な映画だ。
「アリラン」のオリジナルフィルムは韓国や北朝鮮にも残っていない。その後、大阪の男性が所蔵しているという話が広まり、民族主義的な内容や朝鮮映画の記念碑的な価値から、南北の関係者が「返還」を求めて激しい争奪戦を繰り広げた。
だが、男性の没後、東京国立近代美術館フィルムセンター(東京都中央区)が調査を行ったところ、結局は見つからず、関係者を落胆させた。同センターでは「当時のフィルムは燃えやすく、ほとんど残っていない」という。
現在、残っているのは、映画のスチール写真数点のみ。それ以外では、当時、実際に映画を見た人の証言や94年に北朝鮮で再録出版された脚本などで概要を知るほかはない。
今回、上映されるリメーク版は2003年製作の韓国映画「アリラン2003」(李斗●監督)。反日的な要素がやや強調されているものの、構成や内容は最もオリジナル版に近い。
公開時に韓国と北朝鮮で上映されたが、現在ではこのリメーク版も時折、日本で公開されるだけ。企画した音楽プロデューサーの李★雨さん(77)は「90年を機にフィルムが見つかるきっかけになれば」と期待を込めている。
問い合わせ・申し込みはファクス042・483・8142(「アリラン友の会」)。(喜多由浩)
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映画「アリラン2003」ハイライト - YouTube
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