錦織寺・阿弥陀堂。1831年の築。
写真の撮り方もあるだろうが、何たる急勾配・・・・・・・
野屋根・拮木・和小屋組。この3点セットで、日本の気候にあった屋根が作られていく。
日本は非常に降水量が多く、しかも台風などのように、強く降りつけることもしばしば。
中国や朝鮮の場合は降水量が少ないので、それほど屋根の勾配をきつくしなくても雨漏りの心配は無いが、日本の場合は、降水量が非常に多かったので、勾配をつけて適切な雨処理をする必要があったのだ。
そこで登場したのが「野屋根」だった。従来の屋根の上に、別の屋根を被せて急な勾配を可能とした。
また、前に述べたように、拮木も、軒を深く出しながら軒下がりを防ぐ効果を発揮し、雨処理の要求と自然光の取り込みを両立させた。
そして「和小屋組」の登場で、さらに雨処理に優れる屋根を作ることが可能になる。
最も雨処理に優れるのが、水色に囲まれた部分の曲線。Nordic ski のジャンプ台のような、初めに急勾配、あとにやや緩やかという曲線だ。
この曲線を作り出せるのが、まさに「和小屋組」なのである。

図のAとBの束の長さを短くすれば、まさにジャンプ台型の屋根に出来る。逆にAとBの束を長くすれば、中央がムクッと起きた屋根になる(数奇屋造りに多い)。
和小屋組は、屋根の勾配が自由自在に作れるのだ。

これが、洋小屋組なら、とても自由自在というわけにはいかない。

まさに野屋根・拮木・和小屋組は、日本の気候に最適な屋根を築く3点セットなのである。