参考エントリー1
国有地の紛糾(一)
参考エントリー2
国有地の紛糾(十六)
参考エントリー3
土地調査事業に関する質疑応答(四)
「久しぶりに『丸投!史料塾(ry』始まるよー」
「久々いうても、1か月も経ってへんけどなぁ。で、今回は何を取り上げるんや?当然『獄長日記』関連やろ?」
「うん。参考エントリー1で獄長がアジ歴の『朝鮮ノ土地制度及地税制度調査報告書』を取り上げているんだけど、それに関してやっていくの」
「具体的にはどうするの?」
「作者が複写してきた『朝鮮土地調査事業報告書』(朝鮮総督府臨時土地調査局 大正7年11月)っていう史料があるんだけど、それと照合していくの」
「ほー、この史料やな……って、文章とか獄長の史料ともろにかぶっているところばっかしやん!」
「アジ歴の記述を信用するなら、獄長の『朝鮮ノ土地制度及地税制度調査報告書』の作成日は昭和15年(1940)3月31日、一方、作者の『朝鮮土地調査事業報告書』の発行日は大正7年(1918)11月だから、前者が後者を引用しているとみていいんだけど、後者には前者にない部分もあったりするので、いちおう取り上げてみようってことなの」
「そうなん?例えばどんなとこが取り上げる意味があるん?」
「…そうだね…参考エントリー2から引用した下記を読んでみて」第3節 国有未墾地
朝鮮に於ては、嘗て官民に於て利用せざる原始的荒蕪地を閒曠地と称し、閒曠地の開墾に関しては大典の規定する所に依り、凡そ閒曠の処は起墾者を以て主と為す。
豫め立案を得たるものにして、自ら起墾せずして他人の起耕せるものを冐奪せる者及起墾の立案を私に売買する者は、侵占田宅律を以て論ずとせり。
然れども、往往起墾の立案を売買する者あり。
又、甚だしきは一旦起墾の立案を受くるも、事実起墾に着手せずして放置し、他人の労力を加へて該地域を開墾するを傍観し、其の開墾成功後に於て曩に受けたる立案を理由に、其の土地を横領せる事例あり。
(中略)
で、勿論開墾する場合には許可を得る必要があるわけで、それが「立案」なのかな?
予め立案を得た者が、自分で開墾せずに人が耕したのを奪ったり、起墾の立案を私的に売買する者は侵占田宅律によって処罰されるとされてたんだけど、それでもしばしば起墾の立案を売買する者がいる。
甚だしい場合では、一旦起墾の立案を得たのにそのまま放置し、他人がその地域を開墾するのを黙って見ていて、その人が開墾に成功した後、その立案を理由にして土地を横領する事例もある。
「ここで獄長が『立案』について、たぶん開墾許可のことなんだろうけどって確信を持てない感じで書いてるよね」
「うん。でも文脈や全体を読んだら、それで正解だと思うんだけど」
「作者だってそうは思うんだけど、ここは念を入れて確認してみるの。『朝鮮土地調査事業報告書』の177ページをあげるね」第六 起墾地浦落地泥生地
朝鮮に於ける開墾には二様あり其の一は無主間曠地の開墾にして他は陳地の開墾なり無生間曠地と称するは耕地間に介在せる原始的荒蕪地にして嘗て人民に於て之を利用せしことなく政府に於ても亦特に之を管理せしことなき地域を謂ふ而して続大典には間曠の処は起墾者を以て主と為す予め立案(許可のこと)を得たる者自ら之を起墾せすして他の起墾地を冒奪する者及起墾の立案を私に売買する者は侵占田宅律を以て之を論すと規定しあり故に間曠地の起墾は実際に労力を費やしたる者を保護して其の者に該起墾地の所有権を取得せしむるを原則とし予め開墾の許可を受くるも之に著手せすして他人の開墾後自己の許可侵害を口実として其の土地を奪占せむとする者及許可を受けたる開墾の権利を私に他人に売買する者は国法に拠り処分せらるへき規定なりしも従来往往開墾権のみの売買行はれ又甚しきは一旦開墾の許可を受けなから事実開墾に著手せすして放置し他人の労力を加へて該地を開墾するを傍観し其の成功後曩に受けたる許可を理由に其の土地を横領し実際の起墾者を苦しめたる事例多く起墾許可の弊害甚しかりき
「文章はよぅ似とるけど、こっちは『立案(許可のこと)』って注釈つきで書いとるなぁ」
「これで獄長の推測はきちんと裏付けがとれたことになるね。でも、『又甚しきは一旦開墾の許可を受けなから事実開墾に著手せすして放置し他人の労力を加へて該地を開墾するを傍観し其の成功後曩に受けたる許可を理由に其の土地を横領し実際の起墾者を苦しめたる事例多く』って悪知恵を働かす人がいるもんなのね」
「そやけど、誰のもんかわからん土地をいきなり開墾するっちゅうんも、かなりむちゃくちゃな行為やと思うで。どっちもどっちちゃうん?」
「…あ…確かにそれもそうかぁ…」
「今回はここまでにして、次回からはちょっとずつ参考エントリーを引用してみていくね
rinfie☆勝手に通詞中
