「テーマ掲示板」の「伝統文化紹介」になかなか面白い投稿がありました。
[1段階]朝鮮の人口台爆発は 1905‾1909年![172] logicsayer
散々批判されていましたが、面白い主張だったと思います。
私なりにlogicsayerさんの主張を解釈すると…
(1)日本統治によって朝鮮人の人口爆発が起きたというのは間違い。
(2)なぜなら日本統治以前から人口爆発は起きている。
(3)日本統治以前のほうが人口の増加率が高い。
…ということだと思います。
人口増加については以前にもアイコンマンガで言及しましたが、
あらためて投稿してみたいと思います。
logicsayerさんの引用した資料は「朝鮮総督府統計要覧」などで確認できます。
しかし読みづらいので日本の社会科教科書の出版会社で確認してください(笑)
統計表 http://www.teikokushoin.co.jp/statistics/history_civics/index02.html
これを見ると分かるのですが、logicsayerさんの引用した資料は、
「内地人(在韓日本人)」などを含んでいます。
朝鮮人の人口増加を問題にするなら朝鮮人だけにしたほうがよいでしょう。
明治42年 1909年 12,934,282 明治43年 1910年 13,128,780 明治44年 1911年 13,832,376 明治45年 1912年 14,566,783 大正02年 1913年 15,169,923 大正03年 1914年 15,620,720 大正04年 1915年 15,957,630 大正05年 1916年 16,309,179 大正06年 1917年 16,617,431 大正07年 1918年 16,697,017 大正08年 1919年 16,783,510 大正09年 1920年 16,916,078 大正10年 1921年 17,059,358 大正11年 1922年 17,208,139 大正12年 1923年 17,446,913 大正13年 1924年 17,619,540 大正14年 1925年 18,543,326 大正15年 1926年 18,615,033 昭和02年 1927年 18,631,494 昭和03年 1928年 18,667,334 昭和04年 1929年 18,784,437 昭和05年 1930年 19,685,587 昭和06年 1931年 19,710,168 昭和07年 1932年 20,037,273 昭和08年 1933年 20,205,591 昭和09年 1934年 20,513,804 昭和10年 1935年 21,248,864 昭和11年 1936年 21,373,572 昭和12年 1937年 21,682,855 昭和13年 1938年 21,950,616 昭和14年 1939年 22,098,310 昭和15年 1940年 22,954,563
この表は以前にアイコンマンガを作成した時にまとめたもので、「朝鮮総督府統計要覧」や「統計便覧」から朝鮮半島の朝鮮人の人口を抜粋したものです。
仕事ではないので間違っていても責任は持ちません(笑)
たしかにlogicsayerさんが主張するように「韓国併合」直後の人口増加が激しいです。
下の【図1】はその人口をグラフにしたものです。【図2】は前年からの人口の増加率をグラフにしたものです。
緑の棒グラフが示すとおり、1910年代前半の増加率が高くなっています。
【図1】1910年以降の朝鮮半島の朝鮮人の人口

【図2】1910年以降の朝鮮半島の朝鮮人の人口増加率

この1910年代前半の増加傾向を見て、
日本統治以前から人口爆発は始まっていたという主張でした。
しかし、答えは別にあると考えます。
その答えを言う前にもう少し前に実施された人口統計を見てみましょう。

これは1891年に出版された「朝鮮案内」という本の抜粋です。
ここでは朝鮮の人口を1052万8937人と説明しています。
「海外各国国勢要覧」によるとこれは1883年の政府による調査だそうです。
(ただし、「海外各国国勢要覧」では1051万8937人とあり1万人の誤差がある)
しかし、注目したいのは人口の数値ではなく、その数値の評価です。
簡単に言うと、民衆は税金を逃れるためにその調査から逃れ、
官僚は税金を増やすために数値を水増しているということです。
つまりこの段階では人口を正確に把握できていないのです。
では日本統治以後はどうでしょうか?
logicsayerさんが主張するように日本統治ですぐに変化は出ません。
日本は徐々に人口の把握を、つまり統制と秩序を形成していきました。
そのひとつの到達点が1925年の「国勢調査」の実施です。
これは1920年から日本全国で行われている人口統計です。

この人口統計は5年ごとに繰り返し調査されており、現在も続いています。
(今年、2010年にもこの調査が行われます)
【図2】の棒グラフが5年おきに伸びているのは、この調査のせいだと思います。
人口増加の原因は「調査漏れの発見」が大きいのではないかということです。
結論としては、1910年代前半の人口爆発は実態を表したものではなく、
統計の精度の向上による増加だと私は考えます。
日本統治以前から人口増加は始まっていた…
この主張はなかなか気に入りました。
これは日本統治以前から近代化は始まっていたという主張に似ています。
なんとか資料を示して反論しようと試みましたが、まだできません。
資料も見つからないなかで、可能性を否定しようとするのは
「悪魔の証明」になるかもしれませんね(笑)。

