もう過ぎた話だけど、日本の勤労感謝の日が来るたびに、アメリカのThanksgiving Dayを思い出す。
主旨は同じで、その年の収穫に感謝して祝うのが発祥だ。でも勤労感謝の日とはかなり違う。
アメリカに入植したヨーロッパ人が飢饉に見舞われたという歴史から生まれた記念日なので、
独立記念日よりも重い意味のある日だ。ただ学校や職場が休みになるだけではなく、
この夜は家族で過ごすべきという日だ。この日に歯医者の予約を入れようとしたら、
おまえはターキーも食わずに歯を治す日にあてるのかと言われてしまった。24時間営業が
自慢のスーパーも、その日は夕方5時に店を閉める。
仕方ないので、奥歯に穴をあけたままターキーを焼くことにした。外国人だから何を食べようと自由だが、
なぜか自分たちもターキーを焼きたくなった。このターキーだが、アメリカでも核家族化が進み、
小さいものから売れていく。早めに買わないと10キロぐらいの、犬ぐらいの大きさのものしか買えなくなる。
でも小さいものでも5キロもある。大きさもバレーボールぐらいある。こんなものが一週間前から
冷蔵庫に鎮座するのだから大変だ。値段は10ドルぐらい。ロッテマートのチキンより高い。
ターキーの焼き方は簡単で、全身にバターを塗って体の中に詰め物をいれてからオーブンで焼くだけだ。
首つると肝臓も入っているので、首つるはスープの出汁にして、肝臓は唐揚にした。
パンなどを詰めるのが地元式だが、日系スーパーではライスを詰めたレシピを教えてくれた。
やっぱり日本人はコメが主食だし、その方がなじみもある。あとで中国系韓国系の人にも英訳して紹介してあげた。
自宅に友人を招いてターキーを焼くのだが、これが一苦労で、焼きあがるまでに3時間ぐらいかかる。
その間にビールやワイン、クラッカー、ポテトチップスを食べてしまい、もうお腹も膨れて酔いも回って、
どうでもいいと思った頃にターキーが焼きあがる。ターキーを切り分けるのは家の主の仕事だ。
昔の解剖学を思い出しながら、目の前のでかいターキーを切り分ける。
そして食べる。味は……。ターキーに失礼かもしれないが、ターキーは所詮、400年前のアメリカのご馳走なのだ。
今ではターキーよりもおいしい牛肉やチキンを毎日食べている。どう考えても、先週自分で作った鶏肉のから揚げの方が旨い。
なので400年前の入植者達が感動したような味は感じられない。正月のおせち料理を持て余すのと同じ心境だ。
贅沢なものだけど、仕方ない。
Thanksgiving Dayは木曜日だが、金曜日も土曜日も日曜日もターキーを食べる。ターキーのサンドイッチにターキーのサラダ。
そうしないと、いつまでも冷蔵庫に食べかけのターキーが残ることになる。翌週の月曜日は、俺は二日で食べきった、
お前は四日もかかったのかなんていう話題で盛り上がる。
過ぎてしまえば、楽しい思い出だ。 try { var fAction=false; var fAllow=true; var sCLSName=null; var isIE=(document.documentElement.getAttribute("style")==document.documentElement.style); var sCLSXNm="class"; if(isIE) { sCLSXNm="className"; } var aryElsKr=document.getElementsByTagName("font"); for(var vdx=0;vdx