今こそ「日本人の心」発揮する時
「朝日新聞記事」より引用
大きな被害に遭われた方、ご家族、なお安否不明の状態にあるご家族、知人、友人を持つ皆さんにお見舞いを申し上げます。私も仙台市青葉区にある東北総局で記録的な揺れに遭遇した。一瞬、死が脳裏をよぎったが、こうして原稿を書いているだけ、恵まれている。
私はいま、日本人の健康な心のありように感動を覚えている。食料や飲料水を求める人々が長い列を作っている。コンビニにも、炊き出しにも。これが実に整然としている。公衆電話にも長い列ができている。皆、大切な人に連絡したくてたまらないのだろうが、誰1人、騒ぎもしなければ、大きな声も出さない。じっと順番が来るまで待っている。海外の同じような災害時の映像やニュースではよく暴動、略奪のシーンを見聞きするが、それがない。比較的、被害が少なかったとみられる仙台市中心の一部だけしか見ていないが、それでも感動した。ラジオでニュースを聞く限りそのような報道も耳にしないのだから、たぶん、同じような状況だと思うし、そう、信じる。
被災地のみなさん、これからも苦しい日々が続くでしょう。けれど、他者への、弱者への思いやりと節度を失わない行動を心がけましょうよ。私たちも心しますから。
仙台市一番町通りの牛タン店「集合郎」では一夜明けた朝9時から、1人3枚の牛タンを無料で配った。周辺のチェーン店から材料を集め1500人分。通常は4枚1200円。「仙台で20年以上、営業させてもらっています。少しでも皆さんのお役に立てるのなら」と懸命に牛タンを焼いていた。この心がうれしい。

それにしてもすさまじい地震だった。天災は忘れたころにやって来るのではない。宮城の地震は近いうちに来る、と言われていた。が、高をくくっていた。「俺が赴任中は来ない」。根拠のない思い込みがあった。耐震対策はおざなりだった。6階のオフィスというせいもあるだろうが、ちゃんと固定式の留め金具を施しておけば、ロッカーもテレビ台も倒れなかったかも知れない。想像力の欠如だった。幸い、けが人は出なかったが、もし、誰かが大型ロッカーの直撃を受けていたら…。これを読んでいる読者の方、明日はわが身です。人ごとではありません。
書くことはいくらもあるが、最後にひとつ。人ひとりの力は知れている。けれど、それが集まれば、大きな力になる。お年寄りや体の不自由な人の力になっている人々の姿をあちこちでみかけた。うずくまっておびえている人に声をかけ、手を差し伸べる若い人も随所にいた。電気がストップした暗闇にともっている明かりがホッとした気にさせるように、ひと声の呼びかけが大きな力を与えてくれる。そして、笑顔、笑い。
【東北総局長・今西和弘】
以上「日刊スポーツコム」より引用
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20110313-747852.html
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今も救出を求めている人々、被災者の方々を考えると、
耐え難い「傷みと悲しみ」を感じる。
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