その招き猫について説明します。
「招き猫」とは、前足で人を招く仕草をした猫の置物です。
猫は農作物や蚕を食べるネズミを駆除するため、古くは養蚕の縁起物とされて
きましたが、今は商売繁盛の縁起物とされています。
「招き猫」が中国、韓国にあるかは知りませんが、おそらく、日本独特の風習だと
思われます。

上の写真で左が右手上げの招き猫、右のが左手上げの招き猫です。
左の写真の右手上げ招き猫は「金運」を招くとされ、右の写真の左手上げの
招き猫は「人(客)」を招くとされています。
両手をあげるという「欲張り」な招き猫もあります。

全く、「金も人も」とは欲張りですが、「お手上げ(どうにもならないこと)」に
通ずるとして嫌う人もいます。
アメリカでも人気があるらしいのですが、この招き猫は少し日本のと違いが
あります。
その違いがお分かりでしょうか?

あげている手の向きに注意して下さい。
アメリカの招き猫は手の甲をこちらの方向に向けていますね。
日本の招き猫はその逆で、手のひらをこちらに向けています。
その理由は、手招きするときの手のジェスチャーが日本とアメリカとでは
逆だからです。
アメリカでは、手のひらを向けると、「あっちへ行け」という意味になります。
日本でも「しっしっ」と動物を追い払う仕草に似たようなものがあります。
ま、文化の相違ですね。
ちなみに、アメリカでは"wellcom cat"、"lucky cat"と呼ばれ、上の写真のように
ドル硬貨を抱えたものは"dollar cat"と呼ばれるそうです。
招き猫の由来にはいくつかの説があります。
1.今戸神社(imado-jinnjya)説
今戸神社は東京都台東区今戸一丁目にある神社です。
江戸時代末期、近くにすんでいた老婆が貧しさの故に可愛がっていた猫を
手放したが、夢枕にその猫が現れ、
「自分の姿を人形にしたら福徳を授かる」というので、その猫の姿の形を
今戸焼の焼き物にして売ったところ、たちまち評判になった。
2.豪徳寺(goutokuji)説
東京都世田谷区にある豪徳寺が発祥の地だという説です。
江戸時代、彦根藩二代目藩主の井伊直孝(Ii Naotaka)が鷹狩の帰りに
豪徳寺の前を通りかかった。その時、寺の飼い猫が門前で手招き
するような仕草をしていたので寺に立ち寄り休憩した。すると豪雨が
降り出し、雨に濡れずにすんだ。そのことを喜んだ井伊直孝は、後日に
荒れていた豪徳寺を立て直す為に多額の寄進をした。
豪徳寺の和尚はその猫が死ぬと墓を建てて弔った。
これには異説があり、直孝が豪徳寺の一本の木で雨宿りをしていたら、
一匹の猫が手招きをしていたので、直孝がその木を離れて猫に
近づいたところ、今まで雨宿りをしていた木に雷が落ちた。
猫の為にそれが避けられたことに感謝した直孝が豪徳寺に多額の寄進を
した、というものです。
3.自性院(jishouin)説
東京都新宿区の自性院が発祥の地という説です。
戦いで劣勢に立たされて、道に迷った太田道灌(Ohta Doukan)の前に
猫が現れて自性院に案内した。これをきっかけに盛り返すととに成功した
太田道灌が感謝して猫地蔵を奉納した。
その猫地蔵を経由して招き猫が成立したという説です。
他にもいろいろな説がありますが、上の3つが有力です。