小学校6年生ともなれば、娘はもう父親と疎遠な関係になりがち。でも買い物に行くと話は別で、私に近寄ってくる。娘が狙っているのは、ミニスカートにヒールが高い靴だ。
「こういう靴が欲しいのに、お母さんはだめって言うの。だって、最近は公園で遊ぶと言ってもおしゃべりするだけで、精々ブランコに乗るくらいなのに、遊ぶときは運動靴にしなさいって言うの」
「こういうスカートもはいてみたいのに、短いとか電車に乗るとおじさんの視線が集まるとか言って、お母さんはうるさいの。だって、下にちゃんと黒パンはくと言っても聞かないんだよ」
(こういうのが欲しいらしい)
デパートを歩きながら、娘は珍しく私の腕にしがみついてこういう事をまくし立てる。でも小学生の普段着を伊勢丹で買うほどのお金は、持ち合わせていない。
「そうか、でも中学生がジルスチュアートを着るのはまだ早いかな。こんど普段着が買える店に行って、二人で選ぼうか?」
あと三ヶ月で中学生でしょう?という意味で言った中学生という単語で大人扱いしてもらえたと思い、娘は満足げな顔をしている。たとえおねだりしたスカートを今は買ってもらえなくても。
まだまだ可愛いものだな。