木造建築シリーズ。いくつかの木造建物を取り上げてみたい。第1号は、ファット・ジェム大聖堂(ベトナム)。

ベトナムのニンビン省に、ファット・ジェム大聖堂(Phat Diem Cathedral)がある。カトリックだが、ベトナム建築とも融合し、非常に面白い場所とのこと、足を運んだ。

ベトナムのバスは、乗り込んでからお金を払う。なので、切符購入に手間取ることが無い。

そして到着。聖堂の前には池がある。実は背後に小山も築かれており、これは背山面水という風水思想の理想的な配置に基づいている。そう、キリスト教と風水思想がここでは合体したのだ。

そして大聖堂。前面が石造、背後がベトナムの伝統的な木造建築となる。実にユニークだね。1870年代に建造が始まり、1899年の完成とか。
ところで、自分はこの建物を今年の初めに知った。実はこの建物のおかげでベトナム建築に興味がわき、後でディン(dinh)を知ることになったのである。なので、これを知らなければ、別の場所を旅していたであろう。

さて、それでは大聖堂を見ていく。まずはファサードから。東洋と西洋の結合、ここにあり! 見慣れない造形だが、とてもよくまとまっているし、雰囲気も抜群だ。

そして大聖堂の中に入り、息をのむ。見事な木造による列柱空間、奥行きは実に74mもある。

中央列の柱は高さが11mに達し、迫力があった。ディンの木太い感覚が生み出す迫力とは、また別種の迫力。何より上部に窓が設けられ、上から自然光が差し込む設計が素晴らしい。そのおかげで、堂内の高さ感も、荘厳さも増している。

自分は長椅子に座り、この空間をじっくりと楽しんだ。訪問時は自然光のみによって照らされていたが、上から届く光により、柱、梁、束など、どれも良く浮かび上がっている。何という素晴らしい空間だろう。

内陣部分。 そうそう、柱が長いので分かりにくいが、やはり下ぶくれの胴張りが付けられていた。

そして振り返る。立ち去りがたい魅力を備えているね。何より世界のキリスト教建築の中でも群を抜いて個性的だし、面白い存在だと思う。ここに来た甲斐があったと、心の底から思えたのであった。

大聖堂側柱、下ぶくれの胴張り。側柱は短いので、胴張りがよく分かる。

さて、大聖堂の周囲には、小さな聖堂が取り巻く。全部で5棟存在する。


それぞれ個性的で魅力的だった小さな聖堂。



特にこれは全て石造りで面白かった。内部は木造建築を模しており、群を抜いて個性的だね。

大聖堂背後の築山。風水とキリスト教の合体、ここにあり。
Phat Diem Cathedral。ここは現在世界文化遺産登録に向けて取り組んでいるようだが、本当にその価値がある。とても面白い場所なのでありました。