
1140年ころ、ボローニアにある修道院付属学校の教会法教師グラティアーヌス(1179以前没)により、「グラティアーヌス教令集(Decretum Gratiani)」[正式名「矛盾教会法令調和集」]が完成した。
この膨大な教会法令集には、過去1000年にわたる管区会議や公会議の決議、教皇の書簡、教父文書から抜粋された、教会で一般的効力をもつ法文およそ4000がおさめられている。
12世紀末には、グラティアーヌス教令集は、教皇庁の法実務、大学での共学教育になくてはならぬ存在となっていた。これにより、神学から独立した教会法学(カノン法学)が発展する基礎がうまれた。
市民法大全と相対して、中世から1918年まで、ローマ教会で拘束力をもちつづけた法令集が、「カノン法大全(Corpus iuris canonici)」である。この呼称は、1580年以来の公称で、グラティアーヌス教令集をふくめて、12-15世紀に編まれた複数の法令集(公撰5部と私撰2部)の総称である。
グラティアーヌス教令集以降の教会立法の中心をなしたのは、教皇令[教皇による個別事件にたいする法の宣言や裁判]である。これをまとめたものが、5巻からなる「グレゴリウス9世の教皇令」[「リーベル・エクストラLiber decretalium extra decretum Gratiani vagantium=集外法規集」] である。
ここには、裁判所構成法、訴訟法、教会官僚制、婚姻法、刑法が定められており、1234年、諸大学への送付による公布は、カノン法学の最盛期をもたらした。
裁判集会型法発見モデルが一般的であった中世に、教会裁判所は、いちはやく、職業裁判官による裁判をとりいれた。
1200年ころ、高位聖職者の会議からなる巡回裁判所のほかに、司教区裁判所とよばれる新しいタイプの裁判所があらわれる。1250年ころには、ほとんどの司教区裁判所で、教会法を学んだ専門官僚が、ローマ=カノン法的訴訟手続にのっとり、単独で裁判をおこなっている。
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← ローマ=カノン法的訴訟手続までの裁判手続
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← ユスティニアヌス法典~ius commune~ローマ法大全
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← 法書、ローマ法を基礎とする法典編纂
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← 英米法と大陸法
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← 英米法だと、論争主義(当事者主義) 対 糺問主義という形で語られるのが普通です。
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← もう一つの対立軸としての、弾劾主義(告発主義) 対 糺問主義