しかしながら、神があることを知るのはむずかしいと信じ、さらにみずからの精神がなんであるかを知ることさえ、むずかしいと信ずる人々が多いのは何によるかといえば、それは、彼らが彼らの精神を、感覚的事物よりうえに高めることがけっしてない、ためである。彼らは、ものを想像することによってしか考えぬという習慣にとらわれており、しかも想像とは物質的事物にのみあてはまる思考のしかたなのであるから、けっきょく、想像されえないものはすべて理解されえないものであるかのように彼らにはおもわれるのである。そしてこのことを十¥分に示すのは、哲学者たちでさえ、学院において「まず感覚のうちに存しなかったものは悟性のうちには存しない」ということを格率としてとっていることである。
ルネ・デカルト 『方法序説』
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