
砕氷船の種類と任務
砕氷船舶は、①砕氷船と②砕氷型商船に大別される。
① 砕氷船:
1)単独航行用砕氷船
凍結河川、港湾の水路啓開/氷海中に閉塞された船舶の救助/凍結地域への物資輸送/氷海域における海洋開発活動支援/両極圏における学術調査の支援/軍事的、保安的氷海オペレーション
2)船団護衛用砕氷船
船団誘導/航路啓開/船舶救助/軍事的氷海オペレーション
② 砕氷型商船:
物資・旅客・車両等の輸送:砕氷タンカー、砕氷バルクキャリヤー、砕氷フェリー等

砕氷抵抗とは:砕氷模型実験とエンジン馬力
①大学の「船舶設計」の授業では船の歴史、一般商船、高速船など共にこの学際的な氷海の話をするのが楽しみである。
原子力砕氷船が北極海の厚さ2mもあろう氷を「バリバリ」と割りながら進むビデオを見ながら砕氷現象と船型の関係を話す。・・・「砕氷船の船首部が海氷に接触、乗り上げ撓ませながらやがて曲げ強度に達して船首舷側の氷にはカスプ状のクラックが入りつぎつぎに複雑に割れる。砕氷板は回転しながら押し沈められ周囲の氷も砕き裂きながら船が進む。
砕氷板は船底や船側に接触しつつ船体-氷間の摩擦で推進エネルギーを消費させながら船尾方向へと流れ、一部はプロペラへ吸い込まれ(氷の摂食という)、一部は側方へと流れる。後流に疎氷域を残しながら・・」。
船首では、ほぼ氷の特性破壊長さで砕氷されるのでそのサイクルで
①氷板乗り上げ、②破壊、③摩擦移動と押沈め、
④プロペラの氷摂食を繰り返して船は緩やかにピッチングしながら低速で進む。
その平均荷重が抵抗や馬力になる。

②氷は水に“・”が一つ付いただけであるが船体に与える現象がめちゃくちゃに複雑になる。この相似則は何か?撓んで割れる砕氷サイズはどのように決まるのであろうか?・・・・・・・現象を支配する相似則は材力で出てくるCauchy数や流体力学でお馴染みのFroude数などである。模型船のscale factor(実船/模型の寸法比を例えば、λ=50とすると、氷厚h、弾性率E,曲げ強度σfを実氷の1/50の模型氷はできれば、模型船速Vmを実船船速Vsの1/√50で走ると、計測した模型船の氷荷重(Fm)は実船の値(Fs=Fm×λ^3)に換算できる。実際は全てがそうはうまく行かないから補正が必要である。


③下図にカナダのRclass砕氷船の船型形状と実船砕氷抵抗が示されている。砕氷抵抗は氷厚と氷上の積雪に依存するが開水域に比べて桁違いに大きい。よって大馬力となるので砕氷抵抗を低く抑える船型が追求される。砕氷商船では初期建造費と輸送システムとして満たすべき運航経済性が要求される。氷海域と開水域を満足する推進性能・構造安全性能・居住性能・・・・など考慮すべきパラメータが通常商船に比べて非常に多くなる。


氷雪が深い場合散水を行い、氷塊を壊しやすくする方法も有効である。

【氷解工学より】
http://www011.upp.so-net.ne.jp/ice-technology/chap5.html
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