前々回、投稿した時、画像が全く表示されず、文章も少しおかしかったので、改めて投稿したい。
空気の流れは目に見えないが、工夫により可視化することが可能だ。
翼端ほど、渦の影響が大きい。
翼の下面と上面に生ずる圧力差による気流が激しく、その圧力差を埋めようと翼の下から横に気流が流れ込み、これが翼端渦と呼ばれる渦状の流れを発生させる。
後方に小型機が接近すると渦に巻き込まれ墜落してしまうほど大きな力がある。
航空機はこのように無駄なエネルギーを絶えず大気に放出しながら飛行しているのだ。
この無駄なエネルギーは誘導抗力と呼ばれ、航空機の翼の能力を低下させるため、その発生を減少させなくてはならない。
対策として、アスペクト比を大きくしたり、ウィングレットを装備したりする。
前進翼が一番の解決策かも。

渦は推進力を拡散させてしまう。
扇風機もまたプロペラ式なので風は遠くまで届かない。
しかし、ダイソンの扇風機は風が真っ直ぐに流れるので遠くまで届く。
私も実際、ヤマダ電機で試してみたが中々に快適であった。
ちなみに、ダイソンの扇風機は外周リングにスリットが組み込まれている。
空気を高速で流すと圧力差から周囲の空気が大量に吸い寄せられるというもの。


プロペラ機が飛行すると機体はプロペラ回転方向の反対側に傾こうとする。
これはトルクによる作用だけでなく、渦も影響している。
渦が機体を巻き込むように後方に流れ、垂直尾翼に当たるからだ。
P51ムスタングで採用され進化していった層流翼は表面が磨いたように美しく空気抵抗の少ない理想の翼と言えるが、翼面で空気剥離が起こり失速の不安がある。
そこで短距離離着陸性能を重んじる機種にとっては、翼面の境界層を故意に乱流化した方が空気剥離が遅れ、失速に至る迎え角の増大、最大離陸重量の増加などの恩恵を受け都合が良い。
そのため、敢えて翼面を粗面化したり、翼前縁に突起(ボルテックス・ジェネレーター)をつけるなど、乱流化を促進する工夫を行うことがある。
ハリアー戦闘機の翼上面の前縁に突起物が並んでいるのがそれである。

層流翼が進化してスーパークリティカル・ウィングが登場した。
AV-8B ハリアーIIもスーパークリティカル・ウィングを備える。
この翼は何と翼上面より翼下面の方が膨らんでいる。
こんなので揚力が得られるのは全く不思議なことだ。
翼上面の空気流を速める工夫がなされているのだろうか?
写真のボーイングC-17輸送機のエンジン吸気部の脇に小さな翼が備わっているがこれも乱流を起こし翼面に導くためのものである。
表面にディンプルが彫りこまれたゴルフボールも乱流化を促進するためであり、新幹線のパンタグラフにもボルテックスジェネレーターが備わっている。
ヴェイパーコーンを演出するホーネット
航空機が音速に近い速度で水上を低空飛行すると、このようなリングが発生することがある。
音波から生じた圧力によって空気中の水分が凝結することにより、人工的な雲ができるのだ。
この雲は、ヴェイパーコーンと呼ばれている。
ちなみにマッハコーンは一瞬で消えてしまうが、ヴェイパーコーンはしばらくはその形状を留めるそうだ。
何故か、米軍機でしかこの現象は見かけない。
何やら特別なノウハウが必要とされるのかもしれない。
翼の前後方向の長さが大きいものは、大迎角時に渦を発生させる効果がある。
ストレーキはこの効果を利用し、主翼付け根部分に渦を発生させ、これを主翼部分に当てる事で、大迎角時における翼上面の気流の剥離を抑えるものである。
これにより離着陸性能の改善、急旋回時における失速の防止による旋回性能の上昇を図っている。
ホーネットは実は高翼面荷重の設計だそうだ。
しかし、非常に大きなストレーキのおかげで、高い離着陸性能と運動性を持つに至っている。