
【ワシントン=佐々木類】米英などが共同開発中でレーダーに捕捉されにくい第5世代のステルス戦闘機「F35ライトニングII」をめぐる米政府内の迷走が止まらない。
調達価格が当初予定を倍近く上回るなど開発に手間取っているためだ。中国がステルス性の戦闘機「J20」の試作に成功したとされることも焦りの背景にある。米国内では、高コストを理由に製造中止となったF22ラプター復活論まで登場、F35導入を検討中の日本政府の選定作業にも影響を与えそうだ。
「今後2年間で性能、コストを軌道修正できなければ開発を中止すべきだ」ゲーツ国防長官は最近の議会証言で たびたびこう述べ、F35の開発遅れと高コスト化に懸念を表明した。
そもそも、日本などが導入を渇望していたF22の製造を中止したのは、1機当たりの調達価格が約1億4千万ドル(約112億円)とF35の1機 約5千万ドル(当初見積もり価格)の3倍に上ったためだ。
にもかかわらず、F22復活論が出てきたのは、F35の開発に手間取り、総額が約3820億ドルに達し、調達価格も1機当たり約1億6千万ドルとF22を上回ることが判明したためだ。
F22は すでに製造中止が決まっているが、米陸軍への納入分を製造する工場が稼働していることも復活論の背景にある。ゲーツ氏が予定通り辞任すれば「F35の開発計画自体が どうなるか分からない」(米国防関係者)との声もある。
もっとも、ゲーツ長官自身、中国のステルス戦闘機の開発速度を読み誤っている。2009年9月、ゲーツ氏は講演で「中国は20年まで第5世代戦闘機を持ち得ない」と予想した。
だが、今年2月の上院公聴会では、第5世代戦闘機について「中国は20年までに50機、25年までに200機を所有するだろう」と見方を修正した。同1月に訪中した際に姿を現したJ20の影響があったようだ。
米 大手シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ」のマイク・オースリン研究員は、「米空軍へのF35配備を400機減らす計画があるが、それよりもF22を150機配備した方がお得だ」とF22の復活に期待感を示した。
産経新聞 3月9日(水)23時29分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110309-00000619-san-int
配備予定
開発は遅れ、米空軍の配備開始は2016年度予定である。
採用国 購入量 型式 調達年 変動アメリカ空軍
アメリカ海軍
アメリカ海兵隊
1,763
340
340
F-35A
F-35C
F-35B
2016
2016
2017
未定 +50追加
イタリア空軍・海軍
69
62
F-35A
F-35B
未定
未定
イギリス空軍・海軍 138 F-35C 未定 B型より変更