
日本の救援体制は開発途上国以下――。22日、米誌「タイム」(電子版)がこんな批判的な記事を掲載した。「官僚機構が救援を遅らせているのか?」というテーマで、「日本よりはるかにインフラ整備が遅れている開発途上国でさえ、災害発生から4日もたてば援助物資が被災民の手に届く。だが東北では10万人の自衛隊が救援活動を行っているにもかかわらず、援助物資が届くのに恐ろしいほど時間がかかっている」と指摘した。
同誌は日本の入り組んだ官僚機構に問題があり、規制好きな国民性が“合法的な壁”として立ちふさがっているとして、以下の実話を挙げている。
日本の船会社が湾岸地域に救援に向かうコンテナ船をヘリの着陸用に提供すると申し出たが、政府は船会社に正式な資格がないことから この提案を断った。
来日した外国人医師団が患者の診察を申し出ても、日本の医師免許がないという理由で門前払い。医師らは医療行為ともいえない最小限の援助活動をするしかなかった。政府は地震から6日後の17日になって外国人医師の医療行為を認める方針を打ち出したが、遅きに失したといわざるを得ない。
また、海外から高齢の被災者のために薬品が寄付されたが、日本の行政当局が承認していないという理由で現地に届けることができなかった。輸送業者は許認可特権を持つ官僚に にらまれるのを恐れて表立っては口にしないが、不満タラタラで物資を運ぶ許可を待っている。
寄付された物資は地震と津波の数時間後には東京に届いたのに、いまも倉庫に眠っているというからバカげた話だ。もちろん、政治家がその気になれば、こうした規制を取っ払うことができる。
官僚機構と政治の怠慢が被災者を見殺しにしたといえそうだ。
http://gendai.net/articles/view/syakai/129570
海外からの支援に“障壁”「日本に恩返し」の思い、行き場失う
日本に対する諸外国からの善意と支援が行き場を失っている。混乱の中で、日本側の受け入れ態勢に不備があるのみならず、食品安全基準などが支援の大きな障害になっているようだ。日本に在留する母国民の安否確認と安全確保に追われる傍ら、支援に尽力している各国政府の「恩返しをしたい」という思いを、日本政府は結果的にソデにする格好となっている。
ある国は、毛布を数万枚送ると申し出た。だが、日本政府はサイズ(80センチ×80センチ)を指定し、送られる予定の毛布が、わずか20センチほど「規格」に合わないとわかると、受け入れに強い難色を示した。すったもんだの末に、ようやく「規格外」の毛布が日本に届いた。
日本政府から、救助犬の派遣を真っ先に要請され、それに応じて送り出そうとした矢先に、「待った」をかけられたケースもある。その際の説明は「空港での検疫に1カ月かかる。これを1週間に短縮してもいいが、救助犬をその間管理できない」だった。
結局、救助犬が日本の地を踏むことはなく、関係者は「韓国やニュージーランドなどからは救助犬が入ったのに、なぜなのか」と いぶかる。
コメ数万トンの援助を事実上、断られた例もある。送る予定のコメは日本人の口には合わないだろうと、わざわざモチ米を混ぜる工夫も施されていた。しかし、日本政府は「国内に余剰米があり、コメが不足しているわけではない」と回答。ただ、すでに空輸の手はずを整え終えた一部だけは、かろうじて届けられた。
食料品を送ろうとして「食品安全基準のチェックがされていない。日本語の表示ラベルも張られていない」と、拒否された例もある。
一方、フィリピンのアキノ大統領は17日、マニラの日本大使公邸を訪れ記帳した際に、支援を改めて申し入れた。日本側の答えは「『本国からの回答を待っている』だった」(大統領)。
フィリピン政府は すでに、支援物資を整え日本側の「ゴーサイン待ち」。同政府筋は「第1便として、48品が入った箱を250箱用意した。カップ麺やコメ、缶詰、タオルなどが入っている」。ようやく25日、日本に空輸される見通しとなった。
ベトナム政府もコメや毛布を送る意向を伝えているが、「日本政府は何も言ってこない」(同政府筋)と、戸惑いを隠さない。
日本側には支援を受け入れても保管場所の確保や、被災地への輸送がままならないという事情がある。このため、物資ではなく義援金に切り替えてほしい、と要請された国も多い。
だが、「日本からは これまでにいろいろな支援を受けてきたので、その恩返しをしたい。受け入れ側の事情もよく理解しており、不必要なものを送るつもりもない。それでも日本政府の対応は首をかしげる」(東南アジア筋)という声は小さくない。断るにせよ、礼を尽くすべきだろう。
産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110324/asi11032417390002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110324/asi11032417390002-n2.htm