23年度防衛費 重要施策を見る<6>
研究・開発 新多用途ヘリ着手
ステルス対処レーダーなど



~陸自新多用途ヘリの運用構想図~
技術研究本部の23年度予算(案)は、陸自向け新多用途ヘリコプターの開発など計959億円。前年度比約44%の大幅減
だが、これは過去に契約した歳出化経費が前年の1346億円から607億円に減ったたためで、研究開発費(契約ベース)は1299億円と18億円増となっている。
内訳は、人件費83億円、一般物件費269億円、歳出化経費607億円で、新規後年度負担は1030億円。主な研究開発は24件(848億円)。
【組織改編】①技術開発官(船舶)に潜水艦を担当する「設計調整専門官」を増設②同
(誘導武器)に「コスト調査・分析官」を増設、「03式中距離地対空誘導弾(改)開発室」を新設③陸装研の電気駆動システム研究体制を強化④電装研に「技術分析専門官」を新設。これにより研究職12人を増員する一方、定員削減要求に基づき20人を減。
【主な研究開発】①新弾道ミサイル防衛用誘導弾=18年度から日米共同開発中のイージス艦搭載用対空ミサイルで、23年度は70億円を投入、試作・技術試験を継続する。発射試験に向け米側との調整も開始。26年度に開発完了の予定。
②先進技術実証機=将来戦闘機の開発に向けた高運動ステルス機の試作で、23年度は79億円をかけ、ステルス形状、高運動飛行制御の研究などを継続。初飛行は26年度を予定。
③先進統合センサー・システム=侵入してきたステルス機を探知するため、レーダーに加え、敵機の熱などを捕捉するIRST(赤外線捜索追尾装置)、EMS(電子戦支援対策)複合の統合センサーを研究。母機はF15戦闘機。40億円。
④将来レーダー=ステルス機や弾道ミサイルの探知が可能な地上分散配置型対空レーダーの研究。日本が先行する先進空中線「MIMO」技術を用い、複数の小型アンテナで得た信号を合成し、ステルス機も遠距離から探知する。23億円。
⑤04式空対空誘導弾(改)=04式AAMの能力向上型。空中給油機の導入で戦闘機の飛行時間が伸びたことに対応、誘導弾シーカーの冷却時間を延ばすと
ともに、フレアーなど敵機の欺瞞も見破る対赤外線妨害対抗手段(IRCCM)を持たせる。17億円。
⑥電波・光波複合センサー・システム=大型機に搭載し、レーダーと赤外線の複合センサーで弾道・巡航ミサイル、ステルス機などを探知するシステム。海上
のイージス艦や地上のミサイル部隊と連携、早期探知・撃破できるシステムとする。32億円。
⑦屋外RCS計測評価技術=航空機、艦艇、車両などのステルス性能を計測・評価するため、レーダー反射断面積(RCS)を計測できる車載型の屋外計測器材を整備。23億円。
⑧次世代潜水艦スノーケル発電システム=海自潜水艦の隠密性・残存性・運用性の向上を図るため、小型・高出力・静粛化を図ったスノーケル発電システムを開発する。49億円。
⑨新多用途ヘリ=陸自UH1Jの後継で、現有のUH1、OH1のいずれかを母機とし、動的防衛力の主力を担えるよう、島嶼間を往復できる航続距離、超低空・洋上での飛行安全性、ライフサイクルコスト低減を目指して開発。35億円。
【要素技術の研究】①次世代エンジン=高い推力重量比が求められる次世代航空機エンジンの研究。対象は軽量化圧縮機の空力、高温化高圧タービンの耐熱・空力、高温化燃焼器技術など。33億円。
②防空用高出力レーザー兵器=地上から対空レーザーを発射し、ミサイルなどを無力化するレーザー兵器の研究。目標の追尾・照準装置、ビーム指向性装置などを試作し、レーザー透過性などを試験する。10億円。
【性能確認試験】①次期固定翼哨戒機(XP1)の飛行試験などを行い、23年度で開発を完了。②次期輸送機(XC2)は全機静強度・疲労強度試験、飛行試験などを継続。25年度に開発完了予定。③105ミリ砲を搭載する8輪装甲車「機動戦闘車」の走行・射撃安定性、火砲性能などを試験。プロトタイプの完成は25年度。
【試験装置・施設】①新多用途ヘリ等の試験用に「ヘリコプター用強度試験装置」を航空装備研究所(立川)に整備。②日米共同開発中のSM3(改)のロケットモーターなどの試験用に「信頼性評価試験室」(約40×30メートル)を土浦試験場に新設。
【技術交流】画像ジャイロ応用技術の日米共同研究を継続するほか、仏・英・スウェーデンなど外国機関、国内機関との交流を推進する。技術戦略策定のため技術動向等の調査の充実も図る。 (おわり)
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未来は、明るいのか?
それとも・・・・・・
