

H-IIA F20 打ち上げ経過記者会見

H-IIAロケット20号機、情報収集衛星レーダー3号機打ち上げ経過記者会見
2011年12月12日12時より
(※内容を一部簡略化させていただきます。また敬称も一部略させていただきました)
登壇者
内閣衛星情報センター所長 椋木 功
文部科学省審議官 加藤 善一
宇宙航空研究開発機構 副理事長 樋口 清司
三菱重工業株式会社 宇宙事業部長 淺田 正一郎
・打ち上げ結果の報告(資料読み上げ)
・淺田 三菱重工業株式会社および宇宙航空研究開発機構は、平成23年12月12日10時21分(日本標準時)に、種子島宇宙センターから情報収集衛星レーダー3号機を搭載したH-IIAロケット20号機(H-IIA・F20)を打ち上げました。ロケットは正常に飛行し、情報収集衛星レーダー3号機を分離した事を確認しました。
今回のH-IIA・F20打ち上げ実施にご協力頂きました関係各方面に深甚の謝意を表します。
なお、ロケット打ち上げ時の天候は晴れ、北の風(3.7m/s)、気温14.3度Cでした。
今回は記念すべき20号機の打ち上げということで皆様にご支援いただき、無事成功したことを感謝致します。
・登壇者の挨拶
・椋木所長 本日、種子島宇宙センターから、H-IIAロケット20号機が打ち上げられ、搭載していた情報収集衛星レーダー3号機を所定の軌道に投入できた。今回の打ち上げ成功により、これまで欠けていたレーダー衛星の運用が実施できるようになり、夜間や曇天等でも撮像が可能となる。来年度には4号機の打ち上げを計画しており、我々としては情報収集衛星の4機態勢の早期確立に向けて今後も着実に取り組んでいきたいと思っている。
引き続き情報収集衛星の運用を通じて我が国の平和と安全の確保に必要な情報収集機能の強化に取り組んでいく。
・加藤審議官
(※中川文部科学大臣の談話の読み上げ)
『本日、H-IIAロケット20号機が打ち上げられ、搭載していた情報収集衛星レーダ3号機が所定の軌道に投入されたことを確認しました。今後、衛星の運用が順調に行われ、情報収集における所期の目的が達成されることを期待しています。
今回H-IIAロケットが14機連続での打ち上げ成功を達成したことは、我が国の基幹ロケットが世界最高水準の信頼性の確立に向けて、確かな歩みを進めていることの証しです。
今後、我が国の基幹ロケットが、国民生活の向上や国際貢献、人類の夢の実現などに向けた宇宙開発利用を支え、国際市場で活躍していくことを期待して、私としても、それらの実現に向けた環境整備等を図ってまいります』
・樋口副理事長
ロケットが一人前になるのに95%の実績が必要。6号機の失敗から20号機まで連続して成功させるため、関係企業・機関の方と協力し、やっと20号機まできた。最近成功が続いているのでもういいだろうと言う人もいるが、宇宙はリスクが多く油断ができないリスキーな事業であると考えてずっとやってきた。20号機まで来てほっとしており嬉しく思う。関係者の皆様にお礼を申し上げたい。
・質疑応答
南日本新聞 初号機から10年、20号機で95%を達成した総括、展望、課題など。
淺田・6号機の失敗により、13回連続して成功しないと世界一流レベルにはなれないということで遠い目標に感じていたが、今実現したことで大変嬉しく思う。
H-IIロケットまでは10機を越えていない。(H-IIAが)10機を越えた時点で、これでやっと運用できるロケットになったと思った。そして20号機ということで、やっと世界に肩を並べる所に来た。
関係省庁の指導と関係企業の努力によって連続成功が成し遂げられた。しかし今日も安心はしておらず心配している。そういった気持ちを忘れないようにしたい。
今後の展望として、13機の打ち上げに連続して成功したが、かなり人に依存している。今後10年で引退する人がいるため、若い人につないでいかなければならない。信頼度のためなるべく機体は設計変更はしたくないが、人は変わっていく。今後10年間を成功し続けていくためには、国際的な競争力を持つ、新しいロケットの開発を経験させ、技術者を維持していきたい。
樋口・今の技術が山を越えて、きちんとロケットを打ち上げられるようになった。成功し続ける難しさもある。失敗の原因は判るが、成功の因果関係がつかみにくい。これについて極めていく必要がある。技術は陳腐化するので次の世代の輸送技術を提案し了解を得て、開発できるようにしたい。
NHK・情報収集衛星の効果、透明性など、国民に予算を納得させるには。解像度を下げるなど工夫して公開できないのか。また、成功確率95%を達成したが、海外からの受注は来年の韓国の衛星1機だけで他にない。課題と対策は何か。
椋木・情報収集衛星の有効活用では、今年発生した東日本大震災で画像を分析して官邸や関係省庁に情報として提供している。内閣情報調査室では画像だけでなくその他情報を含め総合的に分析した被災状況推定地図を作成し、関係省庁および現地の自治体で広く活用している。
画像は公開されていないが、我が国の安全保障に関わるためご理解いただきたい。衛星の性能は分解能だけでなく軌道や運用もあるので、解像度を下げるだけでは公開できない。
淺田・外国の衛星打ち上げがとれていない。外国の衛星には2種類あり、観測衛星など政府によるものと、通信などの商用衛星がある。
三つある打ち上げ制約のうち、打ち上げ期間は文部科学省の努力で解消している。残る問題として、近年の通信衛星はかなり重くなってH-IIAでは市場をカバーできなくなっている。その対策として2段目の能力を上げ、なるべくニーズに応えられるように改良したい。抜本的な解決には世界市場に対応したロケットが必要。観測衛星は国内の政府衛星との相乗りなどで対応していきたい。頭が痛いのは円高で、コストダウンが追いつかない。単独ではなく、衛星の調達から運用までをパッケージとして新興国に提案したい。
読売新聞・国際的な市場に勝てる新しいロケットとは、どのような設計思想になるか。
樋口・検討の範囲としては二つの方向がある。有人も打てるものと、コストが安く簡単に宇宙にアクセスできるものがあるが、できればこれを1つの構想に盛り込んだものを検討したい。まだ具体的に話ができる状況ではない。
朝日新聞・人材育成のための次世代ロケットとのことだが、政府としてはどう考えるか。
加藤・14機連続成功で世界レベルになった。今回の成功を契機に我が国の基幹ロケットが国際市場で活躍すると期待するが、さらなる機能強化として2段目エンジンの改良を計画し、今年度は予算として14億円を計上している。H2A/Bの後継機についての具体的な計画はまだないが、将来のニーズを踏まえながら検討し、技術開発を継続していく事が必要。
・技術関係ブリーフィング
(※実質的な記者会見第二部に相当します)
・登壇者
内閣衛星情報センター 大島調査官
文部科学省 加藤審議官
宇宙航空研究開発機構 川上射場技術開発室長
三菱重工業株式会社 並河グループ長
・質疑応答
NHK・今回はレーダー衛星3号だが、レーダーの1号と2号は数年で故障している。対応は行ったのか。
大島・センターとして原因究明を行い、対策を行っている。
毎日新聞・打ち上げ期間の制約が無くなっているが、海外の実績に対してまだ少ない。また、打ち上げ回数の増減の影響はあるか。
並河・信頼性確保の観点から年間4機が最適と考えるが、打ち上げが減ると技術の伝承や技術維持といった面で懸念がある。
川上・以前は筑波等から出張で応援を受けていたが、最近は種子島のメンバー中心で行っている。打ち上げが減ると維持が大変なので年4機程度が望ましい。
朝日新聞・技術の伝承と人材育成についての懸念は、時間が経過してから現れるものだが、今どうなっているか。情報収集衛星は開発時点の商業衛星の性能が目標だったが、安全保障に関して十分なのか。能力が足り無くはないのか。
並河・技術の伝承、人材育成では危機感がある。打ち上げは毎号成功しなければならないので想定した訓練をしているが、実際に発生した不適合に勝る教育は無い。しかし実際の機体で訓練をするのは困難であり、新規開発による経験が人材育成には必要である。
大島・光学衛星2機とレーダー衛星2機で地球上の特定の地点を1日1回以上撮像する態勢をとって情報収集を行う形になっているが、打ち上げ失敗と衛星のトラブルで達成されていない。我々としては光学衛星3機を活用し情報収集を行っている。当時の商業衛星を開発の指標としているが、宇宙基本法に基づく宇宙基本計画において、情報の質と量の向上を図っていくべきであると謳っている。その中でも商業衛星の性能を凌駕するものを開発していくべきとしており、それに沿って我々も鋭意開発を進めている。
NHK・打ち上げが続いて技術が確立していくが、その先の一般への応用やフィードバックは何かあるか。
並河・極低温の推進薬を取り扱う技術が一般で利用できるようなものなど、技術の活用の場があると考える。
並河・現在は分離してから軌道まで衛星側で行っている部分を、ロケット側で所定の軌道により近づけた形で投入が行えるものを考えている。
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無事95%達成。おめ!^^
打ち上げ時刻AM10:21ジャスト。
トラブルなどでの遅滞なく、完璧にON TIMEで打ち上げられたようです。
これで最小ワンセットとはいえ、一応の実績をクリアしました。
これからも地味~に着実に成功率をUPしてゆくでしょう。
目指せ!F50。98%!
今後は単なる打ち上げだけでなく、2段目ロケットによる軌道修正による希望の場所に正確にお届けなど、精度と安定性等、質を売りにするシステムに仕上げてゆくと思われます。
来年の最初のお客様は韓国のアリラン3号よ^^。
熱烈歓迎! YOKOSO JAPAN!