2012年08月27日[個人のブログより]
オスプレイのクラスC事故とは「整備士の転落事故」まで含まれる
最近、オスプレイはクラスA事故(重大事故)は少なくても、クラスB、クラスCといった軽微な事故が多いから問題だという論調が新聞やテレビなどで繰り返されています。しかしクラスB、C事故は住民被害に繋がるような事故は殆ど無く、重大事故であるクラスAと同じように扱う意味がありません。それをはっきりさせる為にオスプレイのクラスC事故の個別の事故事例を全て調べ上げて紹介しようと資料を集めていましたが、一部しか見付けられず半ば諦めかけていました。
しかし発売中のイカロス出版のJウィング2012年10月号49ページ青木謙知氏の記事に、MV-22オスプレイのクラスABC事故事例の表が掲載されているのを見付けました。是非とも本を読んで確かめて下さい。
【J Wings (ジェイウイング) 2012年10月号 [雑誌]出版社: イカロス出版 (2012/8/21)
言語 日本語 ASIN: B008N8NIGY 発売日: 2012/8/21 商品の寸法: 25.8 x 20.8 x 0.8 cm】
2006年12月から2011年12月6日のクラスA事故3件、クラスB事故6件、クラスC事故22件の事故状況が全て掲載されています。詳しくはJウィング2012年10月号を読んで下さい。マスコミがクラスC事故で騒ぐ意味の無さ、馬鹿馬鹿しさがよく分かると思います。
・整備士が整備中に作業台から転落して負傷。
・立て掛けていた梯子が外れてローターに当たり損傷。
・整備中にナセル操作を間違えてローター破損。
このような例ばかりでMV-22オスプレイのクラスC事故の半分近くは地上で起きており、整備中の事故や駐機中の事故でした。当然、基地周辺住民に被害が及ぶような話ではありません。また残り半分の飛んでいた時の事故例にしても、その殆どが着陸時の接地の際で、何かあっても基地内で被害が収まるような状況ばかりでした。脚を出すのを忘れて着陸して損傷したという例さえあります。
結局、クラスC事故ではっきりと分かる住民被害に繋がりそうな例は2010年12月21日に起きた「飛行中にプロップローターのスピナードームが落下」の1件くらいで、22件中の殆どが「地上もしくは着地中」であり、住民被害に繋がったりはしないものでした。市街地の上空で何か起きない限りは住民を巻き込むという事故にはまず発展しませんが、そもそもクラスC事故例は着地中を除いた空中で発生した事故自体が殆どありませんでした。
[PDF] アメリカ海軍安全センター「Mech Magazine」2011年夏号.(最後から2枚目に有ります)
http://www.public.navy.mil/navsafecen/Documents/media/mech/issues/
Mech_Summer_2011.pdf
4/20/2011 MV-22B A bird struck the FLIR ball of an MV-22. The damage was discovered on post flight inspection
バードストライクが たまたまオスプレイの機首に付いているFLIRボール(球形の赤外線前方監視装置)に当たって壊され、クラスC事故に分類された例も見付かりましたが、これはオスプレイの問題ではなく どうしようもありません。(※後から気付きましたが、この2011年4月20日のバードストライク事例はJウィング10月号49ページの表には載っていませんでした。資料によってはクラスC事故事例にカウントされないのかもしれません。)
クラスC事故が多くなったのは恐らく、オスプレイという新型機に整備士が慣れていないために整備中の事故が多くなってしまったのだと思います。操縦士も新型機に慣れておらず、着地中の軽微な事故が多くなってしまったのでしょう。自動車で言えば、大きさの違う車両に乗り換えた直後は車庫入れに苦労するのに似ています。どちらも慣れてくれば急速に改善していくでしょう。
事故の状況を説明せずに「軽微な事故でも大事故に繋がりかねない」と声高に叫ぶ事は、こじ付けに近い難癖付けだと思います。詳細な事故状況を調べて見ると、クラスC事故は大事故には発展しようの無い軽微な事故が殆どです。逆にクラスAの重大事故であっても、事故状況によっては住民被害に繋がらない場合や、大きな問題にされない場合もあります。
・2009年2月2日、CV-22オスプレイが飛行中に左エンジン異物混入、片肺飛行で安全に着陸。
・2011年7月7日、MV-22オスプレイが飛行中に後部貨物ランプからクルーチーフが転落、死亡。
どちらもクラスA事故(200万ドル以上の損害または死亡事故)ですが、CV-22のエンジン異物混入(ボルトを吸い込んだ)事故の場合は、エンジンが片方でも動いていれば安全に着陸できる事を実証したと言えますし、MV-22の場合は単なる乗員の転落事故で機体や整備の問題ではない為、この転落死事故は事故率の計算にはカウントされていません。
重大事故とされるクラスA事故ですら、事故状況の内容によっては大きな問題とされない場合があります。たまたま高価な部品が壊れたり、ハーネスを付けずに転がり落ちた転落死だったり。他機種では地上で「脚が溝に嵌った」「格納庫の壁にぶつけた」という、うっかり事故でクラスA相当の大損害を出したケース(でも住民被害には繋がらない)もあります。ましてや軽微な事故とされるクラスC事故では、住民被害に繋がる事故例は殆ど有りませんでした。それなのに事故状況を全く説明せずに伝える報道には、違和感を感じざるを得ません。
http://obiekt.seesaa.net/article/288588951.html
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さて、どう解釈するかは個々人の自由ですが、導入配備される「家主」としては正しい報道が必要なんじゃないかな?
本当に、日本は・・・
