中国軍艦が宮古海峡「ルール」無視し通過 国有化に抗議措置か
産経新聞 10月8日(月)7時55分配信
中国軍による最近の日本の海峡通過(画像:産経新聞)
沖縄県・宮古島沖の宮古海峡を4日に通過した中国海軍艦艇について、中国政府が日本側に事前通告していなかったことが7日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。国際法上の問題はないが、日中防衛当局は海峡通過時の事前通告をルール化することで事実上合意しており、日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化に反発し 対日強硬姿勢を続ける中国政府が、軍事レベルでも“抗議の意思”を示したとみられる。
事前通告なしで沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通過したのは、中国海軍のミサイル駆逐艦、フリゲート艦、潜水艦救難艦など計7隻。潜水艦救難艦が含まれているため、潜水艦が潜没したまま航行していた可能性がある。
中国海軍艦艇の行動をめぐって日中防衛当局は今年夏までに、「危機管理メカニズム」協議を通じ、日本近海の海峡通過時の事前通告を盛り込むことで大筋合意していた。4月と6月に中国海軍艦艇が鹿児島県・大隅海峡を通過した際には、中国側が駐中国日本大使館に対し、ファクスで事前に通告していた。
「危機管理メカニズム」協議では、自衛隊と中国軍の艦艇や航空機が接近した際、無線通信の周波数を共通化し、使用言語を英語に統一することでも合意。自衛隊と中国軍の高官が緊急時に連絡を取り合う軍事ホットラインを設けることでも一致し、年内に防衛相が訪中して署名することを目指して調整を進めていた。しかし、尖閣国有化への中国側の反発や、中国公船による日本領海への侵入で関係は悪化。正式合意に向けた見通しは立たなくなっている。
大隅海峡は領海として認められる12カイリ以内だが「国際海峡」として各国船舶の通過通航権が認められている。一方、宮古海峡は通常の公海。政府は今回の通過を「尖閣をめぐる中国独自の主張との関係は特にない」(玄葉光一郎外相)としているが、両国間で事実上ルール化していた事前通告を中国側が無視した形で、国有化への抗議措置の可能性もある。