セウォル号沈没の無能な共犯者
旅客船「セウォル号」沈没事故に関し、無能さの順番を付けるなら、海洋警察、海洋水産部(省に相当、以下同じ)、安全行政部、警察、海軍、首相室の順になるだろう。「80人救助すれば大したものだ」と自慢げに語った海洋警察の幹部、行方不明者の家族の前で記念写真を撮ろうとした安全行政部の幹部、自分たちの管轄ではないと言い張った警察。国家安全保障室は「災害に関する司令塔ではない」という大統領府の釈明も、的確な政治判断ができない無能さを示す発言といえる。
無能という点ではほかの省庁も同じだ。企画財政部、法務部、産業通商資源部、国土交通部などは、セウォル号の沈没に直接関連はないかもしれないが、事故発生以来何もしなかったという理由だけでも、皆「無能な共犯者」と言いたい。
今回の事故で、海洋警察、警察、消防防災庁が使用している無線機の周波数がバラバラだったことが分かった。そのため、これらの機関と珍島郡役所、首相室の関係者たちは、携帯電話で情報を交換したという。災害救援で最も重要なのは、迅速かつ正確な指揮・統制だが、無線通信が困難とあっては、救助にも遅れが生じざるを得ない。安全行政部は事故発生から数日たって、ようやく「周波数を統一した無線機を関係する公務員たちに支給し、緊急通信網を構築する」と発表した。だが、無線機が足りないため、関係する課長クラスにのみ支給することとなった。
緊急通信網の構築は、過去十数年にわたって問題提起のあった課題だ。民間の専門家たちは「周波数を統一すれば、いざというときに一人でも多く救助できる」と主張していたが、安全行政部の職員たちは「大きな事故や災害が起こっていないのに予算を計上できない」といって先延ばしにしてきたという。最近になって、安全行政部はやむなく、韓国開発研究院(KDI)に妥当性の検討を要請したが、KDIは「経済性がない」と返答した。監査院も「自らの技術で緊急通信網を構築すべきだ」として、周波数の統一に否定的だった。災害救援をめぐって経済性に言及したKDIもあきれるが、当然やらなければならないことについて、予算の計上を企画財政部に要請できなかった安全行政部も無能のそしりを免れない。そう考えると、安全行政部やKDIはもとより、監査院や企画財政部も消極的な共犯といえる。
海洋警察は海洋水産部、警察庁は安全行政部の傘下にある。海は海洋警察、陸地や内水面は警察が管轄する。海洋警察が犠牲者の遺体を引き揚げれば、警察が引き受ける。行方不明者や救助者の数が二転三転するのは、通信の問題だけでなく、管轄範囲の問題のためでもある。このようなシステムである以上、一糸乱れずに動くのは困難だ。
政治家たちもまた無能な共犯者だ。過去20年間、進歩派と保守派が10年ずつ政権を担ってきたが、政界は国家や国民を案じるよりも、進歩派と保守派に分かれ、自分たちの陣営のために戦うことを優先してきた。船舶の安全に関する法令は幾つもあるが、立法機関である国会は、西海(黄海)フェリー事故(1993年)以来20年もの間、国家や国民のためのシステムの構築に関心を向けてこなかった。この間に問題提起をしなかったメディアも同罪だ。哨戒艦「天安」爆沈事件や西海フェリー事故の白書は、ほこりをかぶった本棚の本よりも価値の劣るものになってしまっている。
花よりも美しい子どもたちの瞳を思えば、われわれは全て罪人も同然だ。犠牲になった子どもたちにすまないという以外に言葉が見つからない。本当に、本当にすまない。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/04/26/2014042600739.html
