新刊『サムスン栄えて不幸になる韓国経済』三橋貴明
日本の不況や輸出メーカーの海外での苦戦を尻目に、韓国の輸出メーカーが絶好調である──。
一部のマスコミや経済評論家が口にする韓国礼賛コメントです。
しかし、本当にそうなのか。 よく見ると驚くべき韓国の構造的な欠陥が浮かび上がってきます。
韓国輸出企業が好調なのは、WON安、賃金安、長時間労働が大きな要因です。当の韓国国民は全く恩恵を受けていないという構造があるのです。
ここに韓国国民の悲劇があります。
好調と言われるのは、家電メーカーで言えば、サムスンとLGの2社。車なら現代自動車だけと言えます。しかし日本では多くの企業がしのぎを削っています。
つまり、韓国では、これらのメーカーによる独占化が行われ、韓国国民は品質競争も価格競争も無いメーカー品を選ぶしかありません。
韓国の国民は、輸出企業を強化する為に、損をさせられていると言うことになります。しかも韓国の輸出企業は韓国国民の給与水準を年々下げ続けているのです。そうでなければ、より人件費の安い国の製品に勝てないためです。
また、国際市場で勝つためにWONを下げねばなりません。その為、韓国国民は、安価な輸入品を手に入れるという特権も失ってしまいました。
さらに、韓国で躍進している輸出企業が好成績を上げても、その配当のほとんどは外資に持って行かれてしまい、韓国国民には分配されないという構造もあります。
そして日本の輸出産業は、韓国とは全く異なる強みを持っています。
日本ではトヨタやパナソニックなどの輸出企業が目立っていますが、実は数字上では、資材品の輸出が圧倒的に多いのです。
輸出品のほとんどが韓国とは異なり最終消費財ではない為、円高でも売れ続ける驚くべき状況が続いています。
実際は見た目ほど韓国は好調でもないし、日本は不振でもないのです。
韓国企業の輸出が伸びても給与が下がり、就職率が下がり、物価が上がり、生活が悪くなる一方の韓国。 「日本企業に勝った!」と自慢する為にWON安政策をとった代償は、あまりにも大きかったようです。