
日本では、必ずと言っていいほど、カレーライスに「福神漬」や「らっきょ」が添えらます。日本航空の国際線機内でカレーライスを頼んでも、福神漬とらっきょが付いてきます。
らっきょは置いておいて、「福神漬」がカレーライスに添えられるようになったのは、1902年(明治35年)頃、日本郵船の国際航路の船内食堂が最初でした。
当初、カレーの付け合わせにはチャツネ(果物とハーブ・スパイスをジャムのように煮込んでペースト状にしたもの)を使用していましたが、その後、ピクルスに変更されることになりました。欧米の乗客にこそ好評でしたが、酸味が強いピクルスは、食べ慣れない日本人の間では不評でした。
そこで付け合わせを、上野・池之端の老舗漬物屋『酒悦』の十五代野田清右衛門が、明治10年代に考案した「福神漬」に切り替えたところ定番となり、カレーライスと共に日本全国へ広まっていきました。
明治時代、上野近郊では良質の大根、茄子、蕪、瓜、紫蘇、蓮根、鉈豆が採れました。これらを細かく刻み、醤油と味醂で漬け込んだのが、福神漬誕生のきっかけでした。
「福神漬」という名は、梅亭金鵞という当時の流行作家が上野・不忍池の弁財天にあやかり、7種類の野菜を使うことで七福神に見立て、福神漬と命名したといわれています。

左がらっきょ、右が福神漬。福神漬は、醤油と味醂を使用した、甘めの漬物です。