韓国軍:ドクターヘリ導入計画、
白紙化の危機
国防部「平時には民間支援も行うため、消防防災庁も開発費の負担を」
「目的が異なる」、消防防災庁は拒否
戦時あるいは平時に負傷した兵士を救急搬送するため、韓国軍は救急医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)の導入を進めてきたが、部処(省庁)間での予算の配分問題で取り止めとなる可能性が高まっていることが、23日までに明らかになった。2010年11月に北朝鮮が延坪島を砲撃した際、負傷した兵士を病院に送るのに船で5時間もかかったため、兵士のための救急医療に問題があるとの指摘が相次ぎ、ドクターヘリの導入が進められるようになった。
現在、韓国軍には専用のドクターヘリは1機もないが、救急医療用のヘリは9機ある。しかしこれらはいずれも老朽化しているため、夜間は飛行できない上、医療用機器も救急箱程度しかないという。
国防部(省に相当)は2017年までにドクターヘリ8機を導入する計画を取りまとめていた。1機で6人の患者を治療できるハイテク医療機器や、夜間や悪天候でも移動できる最新鋭の航法装置などが設置される予定で、2699億ウォン(約188億円)の予算が必要と見込まれていた。その中で、すでにある従来型の機種をドクターヘリに改造するための費用として、337億ウォン(約23億5000万円)が予定されていた。
国会国防委員会所属で与党セヌリ党の韓起鎬(ハン・ギホ)議員(江原道鉄原郡、華川郡、楊口郡、麟蹄郡選出)の事務所関係者によると、韓国軍は最近「ドクターヘリは平時は民間への支援も行うため、保健福祉部(省に相当)や消防防災庁で開発費の半分を負担すべきだ」と主張しているという。
これに対し、消防防災庁などは「こちらが要求するヘリは災害救助用であり、軍が想定するものとは目的や考え方が異なる」として拒否する意向を明らかにしている。韓国軍は他省庁との合意が形成されていない状態で、とりあえずは開発費の半分を国防部予算に反映させた。すると予算を取りまとめる企画財政部(省に相当)は「まずは各省庁間で共同の活用計画を取りまとめてほしい」と要求し、来年度予算としては2億ウォン(約1400万円)しか認めなかった。韓国軍は来年の計画を改めて検討し直す際、「18年までに(ドクターヘリを)導入できれば十分」との立場を整理したが、他省庁と合意できる見通しはなく、今後も先送りが続くとの見方が相次いでいる。
国防部の資料によると、ドクターヘリで救急搬送していれば、死亡あるいは障害を防ぐことができた負傷兵は、08年から10年までで年平均1559人に達していた。これに対し、事件や事故による死者は年平均130人余りだ。一方、在韓米軍は 2万8500人の将兵のために12機のドクターヘリを保有しており、年平均680人の負傷者を病院に運んでいる。
チョン・ヒョンソク記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
救急箱だけのドクターヘリとはすごい装備だw