「日本は忘恩国で弟としての礼を尽くさぬ」? …歴史繰り返す中国の独断論
【土・日曜日に書く】上海支局長・河崎真澄 歴史繰り返す中国の独断論
「あのとき暴徒化したデモ隊がなぜ、青島や蘇州などでパナソニックの工場を襲撃したか知っていますか?」。
ある中国人研究者はこう言って記者の反応をみた。
日本政府の沖縄県・尖閣諸島国有化に抗議した反日デモが中国各地で吹き荒れてから2カ月。多数の日系企業が被害を受けたが、満州事変の発端となった柳条湖事件から81年を迎えた9月18日に少なくとも125都市で起きたデモを境に“嵐”はぴたりと止んだ。
デモの組織も抑制も、中国当局による何らかの指示があったとみるのが自然だろう。ただ、それならばなおのこと、中国が改革開放にカジを切ったばかりの1978年、副首相だったトウ小平氏からの要請で、中国への進出と技術供与をいち早く決断した故松下幸之助氏が創業者のパナソニックに対する破壊行為は、理解しがたい。
ただ、研究者は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)問題で強硬姿勢をとる野田佳彦首相や前原誠司・国家戦略担当相は(幸之助氏が79年に創設した)松下政経塾の出身者だ。暴徒にパナソニックを襲撃させて野田首相を攻撃する。これが共産党の手法だ」と解説した。
◆経済合理性よりも政治
しかし、同社以外にも日系自動車販売店や大手スーパー店舗、日本料理店などもデモの餌食にされたが、必ずしも民主党政権とは関係ない。パナソニック工場の襲撃は偶発的だったのではないか。
そういぶかると、研究者は偶発性は認めながらも、「比較的、親日的で日系企業と地元の関係が良好だった青島で、住民に人気だったイオングループの店舗まで甚大な被害にあったのはなぜか。やはり、民主党政権の岡田克也副総理がイオン創業家の出身であることに関係が深い」と畳みかけた。
民主党政権への攻撃をどこまで計算した反日デモだったのか確かめる術(すべ)はないが、暴徒襲撃など想定外だった日系企業を襲い、それによって日本に対する政治圧力を加えようとした可能性は排除できない。雇用や輸出など日系企業の貢献度など経済合理性より、政治問題が優先される異質な国であることを改めて認識させられた。
◆「弟として礼を尽くさぬ」
反日デモに前後し、中国外務省の洪磊報道官らは連日、日本政府による尖閣国有化が「中国人民の感情を著しく傷つけ、激しい怒りを招いた」などと発言。暴徒化による襲撃被害も含め、「すべての責任は日本が負うべきだ」と一方的に日本を非難した。にわかには理解しがたい責任論を中国はことあるごとに持ち出すが、愛知大学の樋泉克夫教授は、「その思考方法は戦前からあった」と話す。
樋泉教授の研究によると、1938年出版の「支那事変 戦跡の栞(しおり)」(陸軍恤兵(じゅっぺい)部編)に収録された中国民族研究家、中野江漢(こうかん)(1889~1950年)の洞察「支那の話」に、すでに登場する。
中野は、「どうして日支(日本と中国)は疎遠したか」と語りかけ、「然らば『日支依存』や『共栄共存』は、果たして実現されているかどうかというに、日支親善の実はなんにもなっておらぬのである」と断言。
「(中国側が)日支不親善の責をみな日本に帰している」と指摘していたという。
ソース:MSN産経ニュース 2012.11.18 03:18 (1/4ページ)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121118/chn12111803180000-n1.htm
70年以上も前の中野の目に映った中国人の思考は
(1)日本は忘恩国で弟としての礼を尽くさぬ (2)日本は支那に対して侵略的である
(3)日本の対支政策は一定せず当てにならぬ
(4)日本は欧米依存である-だった。
さらに、反日意識の背景として
(1)日本への嫉妬心と猜疑(さいぎ)心
(2)以夷制夷(いいせいい)(第三国を利用して他国を抑える)政策
(3)国内統一のため排日を扇動する
-と指摘した。
これについて樋泉教授は「現在の中国の対日姿勢に恐ろしいほど重なる」とみる。日清戦争(1894~95年)、1937年に始まった日中戦争と、その後の不幸な戦争の歴史で固定化された対日観念がいまも“遺伝子”に潜む。
中野の洞察力を借りれば、「すべての責任は日本にある」との独断論は、日本が「弟として礼を尽くさぬ」と考える大国主義や中華思想に基づくものではないか。
◆習近平体制でも同じ懸念
中国は共産党大会を経て10年ぶりに最高指導部が交代。15日に開かれた第18期中央委員会第1回総会(1中総会)で習近平総書記の新体制が発足した。しかし、尖閣を「領土紛争」として日本政府に問題の存在を認めさせようとコブシは振り上げたまま。対日姿勢に何ら軟化や好転の兆候はない。
仮に総選挙を経て日本で政権が交代しても、中国は「礼を尽くせ」と戦前からの独断論をふりかざし、“次のパナソニック”を狙って、政治的な揺さぶりをかけてくるのは必至だろう。いかに中国経済に尽くそうとも、約2万社の日系企業と13万人の在留邦人に対する日本側の危機管理は怠れまい。
(かわさき ますみ)
兄とか弟とか、やめてくれよ。
お前らなんか、近所のキチガイなんだよ。