社説:婚外子差別 違憲判断の機は熟した
毎日新聞 2013年07月12日 02時31分
結婚していない男女間の子(婚外子)の遺産相続分を、結婚した男女間の子の半分とした民法の規定の是非を争う裁判で、最高裁大法廷が当事者から意見を聞く弁論を開いた。「法の下の平等」を保障する憲法に違反するか否かが最大の焦点だ。
婚外子側は「選択の余地のない出生によって子どもが差別を受けるべきではない」「自分の価値が半分だと言われた気がした」と、規定によって差別が助長され、劣等感を抱いてきたことを切々と訴えた。
もっともな意見だ。最高裁大法廷は1995年、法律婚尊重の観点から規定を合憲と判断したが、事実婚やシングルマザーの増加など家族の形は多様化し、社会の価値観も変わった。明らかな不平等を放置する合理性はもはや見つけられない。
最高裁は秋にも合憲判断を見直す可能性がある。差別される人たちを救済するため、時代に即した明快な違憲判断を示してもらいたい。
この規定が作られたのは120年前の明治時代だ。国連自由権規約委員会は93年、規定の改正を日本政府に勧告し、その後も国連の人権機関が何回も勧告を繰り返した。
法相の諮問機関、法制審議会は96年、相続の平等を盛り込んだ民法改正案を答申した。だが、伝統的な法律婚重視を主張する国会議員の反対が強く法案は提出されないまま、議論は棚上げされ続けてきた。
一方、かつては婚外子差別があった欧米諸国は相続の平等が実現し、残された日本への目は厳しい。
最高裁大法廷の95年の決定の際も、裁判官15人中5人が反対意見を述べた。その後小法廷が5回合憲判断を示した際も常に1〜2人が反対意見を述べてきた。
一昨年違憲判断を示した大阪高裁は「国内的、国際的な環境の変化が著しく、相続平等化を促す事情が多く生じている」と、指摘した。司法による救済の機が熟したということではないか。
婚外子の出生割合は95年の1.2%から2011年は2.2%に増え、2万人を超す。それでも全体から見れば、少数派だ。世論を大きく動かしにくい状況の中で、少数者の声をすくい上げ、社会が差別撤廃に向き合うか否かが問われてもいる。
議員間の意見の隔たりが大きいからと、議論を放棄してきた国会の姿勢をまず変えねばならない。違憲判断が出れば是正は待ったなしだ。
その場合、いつの時点で違憲の効力が生じたかによって、過去に決着したケースも含めて、相続実務に大きな影響が出るとみられる。混乱を避けるためには速やかな立法措置が必要だ。政府も国会も正面から取り組む覚悟を決めてもらいたい。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130712k0000m070114000c.html
日本の家族制度の
破壊を
企ててるな