中国経済 専門家「ゆっくり減速」7月15日 19時29分
中国のことし4月から先月までの第2四半期のGDP=国内総生産は、前の年の同じ時期に比べて7.5%のプラスとなり、成長率は2期続けて前の期を下回りました。
経済成長の原動力の1つである輸出の伸びが鈍ったことなどによるもので、中国の景気の減速傾向が鮮明となりました。
中国の国家統計局が、15日発表したことし4月から先月までの第2四半期のGDPは、前の年の同じ時期と比べて7.5%のプラスとなりました。
成長率は、1月から3月までの第1四半期より0.2ポイント下がって2期続けて前の期を下回り、中国の景気の減速傾向が鮮明となりました。
こ
れは、中国の通貨=人民元の為替レートが先進各国の通貨に対して値上がりしたため、経済成長をけん引してきた輸出の前の年の同じ時期と比べた伸び率が
3.7%にとどまり、第1四半期の伸び率に比べておよそ15ポイントも低下したことや、政府と民間企業を合わせた投資の伸び率も、第1四半期に比べて縮小
したことなどが主な要因です。
中国政府は、これまで内需を押し上げてきた公共投資について、環境保護への配慮などから政策的に伸びを抑え、代わりに個人消費の拡大を通じて安定した成長を図る構造改革を進めています。
国家統計局の盛来運報道官は「党と政府は、経済成長の質と効率を重視し、改革と調整を進めながら、安定的に経済を成長させている」と述べ、今回の数字は思惑どおりだとする考えを示しました。
ただ、中国経済の構造改革が大きく進んで、個人消費が輸出や公共投資に代わる経済のけん引となるまでには時間がかかるとみられており、今後も従来に比べて低い経済成長が続いていくことが予想されます。
専門家は「ゆっくり減速」
15日発表された中国の第2四半期のGDP=国内総生産の結果について、キヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之研究主幹は、「市場の
予想どおりの数字で、中国の景気はゆっくり減速している」としたうえで「中国経済は設備が過剰で工業の生産が弱くなったうえ、日本やアメリカ、それにヨー
ロッパなどに向けた輸出の伸び悩みが顕著で景気の足を引っ張った」と分析しています。
また瀬口氏は「中国では、今後、都市化に伴ってサービス産業が発展して雇用や賃金の上昇が見込まれるほか、インフラの建設もかなり高い伸びを示している。さらに、まだ財政政策や金融政策に余力があり、中国の景気が失速するリスクはほとんどないと見てよい」と話しています。
ま
た、シャドーバンキングの問題が中国経済に与える影響については、「下位の小さい銀行の経営が影響を受ける可能性はあるが、政府の力で救済することは十分
可能だ。中国の金融当局は相当気をつけてチェックをしているので、大きなリスクにつながる可能性はない」と話しています。
一方、中長期的な課題に
ついて瀬口氏は「中国が経済を拡大できるのは、輸出競争力を維持して、貿易黒字を続けているからだ。しかし、今後、中国が知的財産権の保護をないがしろに
したり、社会不安などで、外国企業が投資を控えるようになれば、中国は技術力が低下し競争力が落ちかねず、経済が悪化するおそれがある」と警鐘を鳴らして
います。
中国の見解は
中国のことし4月から6月までの第2四半期のGDP=国内総生産が、2期続けて前の期を下回ったことについて、国家統計局の盛来運報道官は、党と政府が意図的に成長を抑えた結果だという見解を示しました。
こ
の中で、盛報道官は、第2四半期のGDPの伸び率が、前の期に比べて低下した理由について、「習近平国家主席が率いる新しい指導部は、とりわけ、中国経済
の構造調整とモデルチェンジを重視し、安定した成長を維持する中で改革を進めようとしている。このことが、短期的には成長に一定の影響を及ぼすことは避け
られない」と述べ、党と政府が意図的に成長を抑えた結果だという見解を示しました。
そのうえで、「政府は、成長のスピードがゆるやかになれば、それだけ経済の構造調整やモデルチェンジを進めるうえで、有利になると考えている。成長率が落ちたとしても、冷静に改革を進め抜く」と述べ、成長のスピードを犠牲にしてでも構造改革をやり抜く決意を強調しました。
ま
た、盛報道官は、今後の中国経済について、都市化の進展にともなって投資や消費の拡大が見込まれるほか、内陸部の発展の余地が大きいことなどをあげ、楽観
的な見通しを持っているとしたうえで、ことし1年間の経済成長率は、政府が目標にかかげている7.5%程度を達成できるという見方を示しました。