ありえない、ATMから「偽札」が出てくる中国の現実
産経新聞 7月24日(水)9時0分配信
上海の地下鉄駅構内に設置された銀行ATM。中国ではATMからも偽札が出てくるというが、偽札をつかまされても泣き寝入りするしかないのが実情という(写真:産経新聞)
7月は卒業式の季節だ。キャンパスのあちこちで、欧米風の学位服を着た卒業生たちが記念撮影に興じている。私も1年間の北京留学をほぼ終え、帰国を目前
にして少々感傷に浸っていたのだが、帰国準備をする中で、この1年間にたまった荷物類の処分を考えた。この時期、学内は卒業生たちのフリーマーケット(フ
リマ)でにぎわう。大学生活でため込んだ書籍や服、化粧品などを値段を掛け合いながら処分していくのだ。なかなか楽しそう。自分も自転車や掃除機など売る
べき“商品”はある。ただ出店には、ある理由から二の足を踏んでしまった。
■ATMから偽札
米国でも「ムービングセール(引っ越しセール)」として、こうしたフリマは盛んという。中国でも学生たちが気軽にフリマ形式で物をさばいているのだが、なぜ二の足を踏んだのか。
理由は「偽札をつかまされるのではないか」とビビったからだ。
中国では100元札(約1600円)を中心に、多くの偽札が出回っている。たいていの飲食店は偽札検査機を常備しているし、米国でもそうだが、コンビニ
でも店員が客の目の前で遠慮なく透かしを確認する。私もいくつかチェック項目を教えてもらったが、最近は肉眼で見抜くのが難しい精巧な偽札も増えている。
驚くべきは、銀行の現金自動預払機(ATM)で引き出した金が偽札、というありえない事態も相次いでいるということだ。
ある日本人留学生が大手銀行のATMで3千元を降ろしたところ、うち700元、つまり100元札7枚が偽札だった。日本では考えられない事態だ。
■銀行「ATMに偽札などあるはずない」
タクシー代を払う際に運転手から指摘されてようやく気付き、銀行側に訴え出たが後の祭り。「ATMの中に偽札などあるわけない」と相手にされず、泣き寝入りしたそうだ。
別の留学生も同様の体験をしており、決して特殊なケースではない。偽札が見つかっただけでニュースになる日本とは大違いだ。
いうなれば、中国13億人が日々ババ抜きをやっているような状態なのである。
さて、ババを引くのが怖くて、この壮大な「ババ抜き合戦」に参加することを避けるためにフリマ出店を躊躇(ちゅうちょ)しているうちに、肝心の「商品」がなくなっていた。
久しぶりにアパートの自転車置き場を確認したところ、跡形もなく消え去っていたのだ。鉄製の柵に頑丈な鍵を二つ付けていたのだが。私の帰国の時期を知った上で、「もう必要ないだろう」とでも思われて持ち去られたのだろうか…。
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最終更新:7月24日(水)9時0分