「不死身」のプラナリア 再生の仕組み解明 iPS細胞研究に応用も 京都大
2013.7.25 09:54 (1/2ページ)[westピックアップ]
体を7つに切断されたプラナリアが再生する様子。それぞれ頭や尾が形成されている(京都大提供)
体を切断されても頭や尾が生えてくることで知られる生き物「プラナリア」の再生の仕組みを、京都大大学院理学研究科の阿形(あがた)清和教授(発 生生物学)らのグループが解明した。体内にある2種類のタンパク質の濃度により、形成される器官や組織が決まることを突き止めたとしている。英科学誌・ネ イチャーのオンライン版に25日掲載された。
プラナリアは、さまざまな器官に分化することができる「幹細胞」が全身に存在しており、体を 切断されても正しい場所に頭や尾などを再生する「極性」を持つことで知られる。ただ、その詳しい仕組みは分かっていなかった。今回の研究成果は、人工多能 性幹細胞(iPS細胞)による再生医療などでの応用も期待されるという。
阿形教授らは、体長1センチ程度のプラナリアを使って研究。特定 のタンパク質の働きを抑える物質を注入するなどしたところ、「ERK」というタンパク質の活性が高い部分は頭に、「βカテニン」というタンパク質がよく働 く部分は尾になることが判明。この2種類のタンパク質の濃度によって幹細胞が分化する器官が決まることがわかった。
再生能力が低く尾からは頭が生えてこない種類のプラナリアでERKの働きを促したところ、切断した尾から頭を再生させることに成功した。
阿形教授は「どの場所にどの器官や組織が形成されるのかという位置情報は、あらゆる生物にとって不可欠。iPS細胞で立体的な臓器を作る場合も同様だ」と話している。