ソフトバンク進出 携帯競争米で加速 各社相次ぎ新サービス
2013.7.27 10:17
【ワシントン=柿内公輔】ソフトバンクによる米携帯電話3位スプリントの買収で、米携帯電話業界のサービス競争が激 しさを増してきた。スプリントが通話料金値下げで攻勢をかければ、ライバル会社も機種変更の新プランや再編戦略で対抗。ソフトバンクの米市場進出で、業界 がにわかに活気づいている。
■料金プラン刷新
スプリントは11日、使い放題の定額制プランを導入した。月額80ドル (約7900円)払えば、通話やデータ通信が無制限で利用できる。首位ベライゾン・ワイヤレスと2位AT&Tは同様のプランを原則廃止し、従量制に切り替 えつつある。それを狙い撃ちして顧客を奪おうというスプリントのヘッセ最高経営責任者(CEO)は「われわれのプランは利用者に驚きを与える」と自信をみ せる。
業績不振のスプリントは、昨年まで6年連続で赤字を垂れ流している。新サービスの発表はソフトバンクが買収手続きを完了した翌日 で、電光石火で知られるソフトバンクの孫正義社長がさっそくてこ入れに動いた格好だ。ソフトバンクはスプリントの財務基盤強化にも50億ドルをつぎ込む。
慌てたのが他社だ。ベライゾンは18日、機種変更が可能となる期間を短縮すると発表した。これまで端末購入から最低 2年間の利用が必要だったが、半年経過後に分割払いの端末代金の半額を支払うことで変更できるようにした。AT&Tは1年ごと、4位のTモバイルUSAは 1年に2回の機種変更が可能なプランをそれぞれ打ち出した。
■LTE拡充へ
再編も加速している。AT&Tは今月、プリ ペイド(料金前払い)方式の携帯電話会社リープ・ワイヤレス・インターナショナルの買収を発表。同社は約500万人の契約者を抱え、35州でサービスを展 開している。ベライゾンには英ボーダフォンが45%出資しているが、ベライゾンの親会社はボーダフォンの保有株の買い戻しを検討しており、経営を強化する 方針だ。
スプリントはソフトバンクの傘下入りと合わせ、無線通信会社クリアワイヤを完全子会社化した。クリアワイヤの保有する豊富な周波数帯が、次世代高速通信「LTE」のサービス拡充に欠かせないためだ。AT&Tが買収したリープも豊富な周波数帯を抱える。
ソフトバンクのスプリント買収を承認した米連邦通信委員会(FCC)のクライバーン委員長代行は「米消費者の選択肢を増やし、値下げも促進する」とサービス競争や業界の活性化を期待していたが、その見立てが早くも的中し始めたといえる。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130727/bsj1307271018004-n1.htm