9月9日 1時47分
東京開催が決まった2020年オリンピックの残る1つの実施競技は、IOC=国際オリンピック委員会の総会で行われた投票の結果レスリングに決まり、最終候補に残っていた野球・ソフトボールとスカッシュは落選しました。
レスリング 改革への素早い対応が評価
レスリングがオリンピックの実施競技に引き続き選ばれた大きな理由として、国際レスリング連盟が競技存続の危機に素早く対応し、改革の姿勢を見せたことが挙げられます。
国際レスリング連盟は、ことし2月のIOC理事会で除外される候補となったことを受け、それまでの会長を解任して、セルビアのネナド・ラロビッチ氏がトップに就きました。
ラロビッチ氏はIOC委員との人脈を生かして情報収集に努め、5月の国際レスリング連盟の総会で、より観客に分かりやすく、かつ選手に積極的に攻撃を促すルールへの変更や、女性委員会を新設し、将来的には女性の副会長を置くといった組織の改革案を決めました。
さらに、オリンピックで女子の階級を増やすことをIOCに提案し、2016年のリオデジャネイロ大会では男子のフリースタイルとグレコローマンスタイルの階級を1つずつ減らす一方、女子の階級を4つから6つに増やすことが、先月決まりました。
IOCの意向を探りつつ、伝統にとらわれずに今の時代に合わせた改革を進めたことが、オリンピックでの存続につながりました。
また、第1回のオリンピックから行われてきた競技を除外する候補とした、2月のIOC理事会の決定に対して、特に欧米や日本を含むアジアで大きな波紋が広がったことも、今回のIOC委員の投票に影響があったとみられます。
野球・ソフト 改革案打ち出すも実らず
野球とソフトボールは、1つの競技として3大会ぶりのオリンピックの実施競技復帰を目指しましたが、活動は実りませんでした。
野球とソフトボールは2008年の北京大会を最後に、共に実施競技から除外され、野球は施設の建設費用が高いうえ、野球が盛んでない国や地域では大会後の施設の利用が難しいこと、ソフトボールは参加する国や地域が少ないことなどが理由とされました。
こうしたなかで、野球とソフトボールは2つの団体を統合する世界野球ソフトボール連盟をことし4月に設立し、1つの競技として復帰を目指した活動に取り組み、5月のIOC理事会では最終候補の3競技に残りました。
そして、試合時間の短縮のために野球もソフトボールと同じ7イニングで行うことや、野球とソフトボールが同じ競技場を使い効率的な運営をすることなど、改革案を打ち出しました。
さらに大リーグや日本のプロ野球などと連携し、オリンピックにプロの選手が参加できるよう対策を進めていることをアピールしてきましたが、ライバルの競技を上回るIOC委員からの支持を得ることできず、3大会ぶりの復帰はなりませんでした。
スカッシュ 支持広がらず
スカッシュはここ数年、普及に力を入れてきて、オリンピック競技へ初めての採用を目指しましたが、IOC委員の支持を得るまでに至りませんでした。
オリンピックの実施競技入りを目指し、世界スカッシュ連盟は、IOCが重視するテレビ放映を意識して、試合が短時間で終わるようにルールを変更したり、観客が見やすいように全面ガラス張りのコートを導入したりするなど、人気を高める取り組みを進めてきました。
しかし、ほかのオリンピック競技と比べると十分に普及が進んでいないことから、IOC委員の支持を広げることはできませんでした。
スカッシュがオリンピックの実施競技の候補となるのはこれで3回目でしたが、今回も及びませんでした。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130909/k10014384791000.html