「韓国史」教科書問題、政争に発展
韓国政界では、最近検定を通過した教学社の高校教科書『韓国史』をめぐる論争が拡大しており、社会を二分する対決に発展する兆しを見せている。11日には教育界と歴史学界の有力者が「教学社の教科書に対する不当な攻撃を中止せよ」との声明を発表した。
■与野党、本格衝突の兆し
野党・民主党は同日、党レベルで教学社の教科書を問題視した。柳基洪(ユ・ギホン)国会議員が委員長を務める「民主党歴史教科書親日独裁美化・歪曲(わい きょく)対策委員会」は、教育部(省に相当)を抗議訪問し、教学社の教科書に対する検定合格の取り消しを求めた。柳議員は「徐南洙(ソ・ナムス)教育部長 官も、自身が見た部分について、多数の誤りがあるのは事実だと認めた。教学社の教科書は誤り、歪曲、盗作だらけの教科書であり、最低限の条件も満たしてい ない」と批判した。
民主党最高委員会でも、田炳憲(チョン・ビョンホン)院内代表が「ページをめくるたびに誤りだらけの教 科書がなぜ審議を通過したのか理解できない。李泰鎮(イ・テジン)国史編さん委員長は当然引責辞任すべきだ」と述べた。禹元植(ウ・ウォンシク)最高委員 (国会議員)は「教育部長官が歴史教科書の承認を直ちに取り消さなければ、職務不履行などで法的措置を検討していく」と迫った。
これに対し、与党セヌリ党内最大の議員グループで、金武星(キム・ムソン)国会議員が主導する「近現代歴史教室」は同日、教学社の教科書の著者である李明熙(イ・ミョンヒ)公州大教授を招き、講義を聴いた。
李教授は「学問、教育、文化など理念に関わる分野では、左派が既に絶対的多数を形成している。今の局面が維持されれば、10年以内に韓国社会が構造的に転覆される可能性がある」と述べた。
講義にはセヌリ党所属議員約50人が出席し、金武星議員は「ある教科書は北朝鮮の人権に触れることなく、哨戒艦『天安』の爆沈、延坪島砲撃、金剛山での韓 国人観光客銃撃事件などを扱わず、韓国戦争(朝鮮戦争)について、南侵と北侵を混乱させ、当時の中共軍を中国人民支援軍(義勇軍)と記述し、まるで味方の 軍であるかのように扱っている」とし、同日の会合が「歴史を正す契機になる」と指摘した。
■「政治的攻撃を中止せよ」
教育界の有力者も「教学社の教科書をめぐる不当な攻撃は中断すべきだ」と呼び掛けた。
李敦熙(イ・ドンヒ)元教育部長官、李仁浩(イ・インホ)ソウル大名誉教授、イ・ジュヨン建国大名誉教授は同日、ソウル市内のプレスセンターで記者会見を 開き「韓国の歴史を事実に忠実でありながら、肯定的な見方で捉えようとする学者を攻撃するのに、メディアが動員され、一部の政治家が加勢することを直ちに やめるべきだ」と主張した。また「教師や保護者は、新たな歴史教科書を冷静な姿勢で比較分析し、選択する機会を保障されるべきだ」とも指摘した。
李元長官らは「(教学社の教科書の)筆者による歴史観が、過去10年余りにわたり韓国の歴史教科書をほぼ独占してきた人々とは異なることを問題視して起きた事態であることが明らかだ。歴史教科書が政争の具になる今日の事態に深い懸念を表明する」と述べた。
声明には李敦熙氏以外に歴代教育部長官を務めたクォン・イヒョク氏ら6人、李成茂(イ・ソンム)元国史編さん委員長、李貞培(イ・ジョンベ)元高麗大総長、李培鎔(イ・ベヨン)元梨花女子大総長、李鍾旭(イ・ジョンウク)元西江大総長などが加わった。
兪碩在(ユ・ソクチェ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
韓国の歴史は、政治家が書くw