きれいな円形…「日本海側で最北」を遡った古墳
発見された溝を見学する参加者(山形県鶴岡市添川の調査現場で)
発見された刷毛目文の土器(山形県鶴岡市で)
古墳の可能性が指摘される山形県鶴岡市添川にある丘の発掘調査を進めていた「鷺畑山(さぎはたやま)古墳1号発掘調査会」(会長=川崎利夫・県立うきたむ風土記の丘考古資料館名誉館長)は22日、調査地点で発見された溝などから、この丘を古墳時代(3~7世紀)に造られた古墳と断定したと発表した。
この時代の現存する古墳としては日本海側で最北となる格好で、調査会は「古墳はこれまで日本海側では新潟県のものが最北と考えられていた。今回の発見は、古墳の分布を研究する上で、大きな手がかりとなる」と成果を強調している。
この丘は、水田が広がる平野部に独立して存在しており、形もきれいな円形で円墳に似ていることから、15年ほど前から関係者の間で古墳ではないかと指摘されていた。
地元住民や山形考古学会を中心に結成された調査会が14日から、初めてとなる発掘調査を開始。21日夕方に、古墳時代の古墳の特徴である溝(幅約2・5メートル、深さ約20センチ)が発見されたことから、調査会はこの丘が古墳であると断定した。
今回の発掘調査ではこのほか、縦線が複数本彫られている刷毛目文(はけめもん)と呼ばれる模様の5世紀頃の土器とみられる破片も発見された。
また、頂上付近には、周辺と比べて色が黒くなっている部分があり、ボーリング調査を行って地中を調べたところ、内部が空洞になっているとみられることから、ここに棺(ひつぎ)が置かれている可能性があるという。
調査会は22日、現地で説明会を開催。溝や土器など発掘調査の成果を説明した。古墳と稲作文化は深い関係があるとされることに触れ、古墳時代の庄内地方が稲作文化の北限地だった可能性もあるとした。集まった約50人の参加者は真剣な表情で聞き入っていた。
調査会の川崎会長は「古墳と断定できたのは大きな成果。今後、造られた年代を特定させるなどして、古墳の実態をより詳しく調べていきたい」と話し ている。今回の発掘調査は23日で終了するが、来年春には第2回の調査を行う方針。発掘の結果は、11月に調査会が総括し、文化庁に報告する。
(2013年9月24日20時06分 読売新聞)