「官邸で感じた日銀、財務省への疑問。経済成長なしに財政再建などありえない」
2012年11月29日(木)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34188
(前略)
・デフレ下の増税は間違っている
浜田: 僕は世界に通ずる普通の、標準的な経済学を信じています。そこでは貨幣も重要だし、モノ(実体)も重要だし、その両方を含んだ体系が必要です。しかし、不況や株価下落の原因は実体が悪いからだと、一方しか見ない人たちが多い。
最近は少し孤軍でもなくなりましたが、どちらかと言えば、少数派で、貨幣面も重要だと頑張ってきました。今回、先生のように経験も、それから将来の日本全体を担うのを国民から託されている方に共感していただくと、非常に心強く思います。
安倍: 景気はまだまだ厳しいでしょう。これから財政出動しますが、デフレ下で増税をするので、景気を冷やしていく危険性もある。よりデフレが進んでいく危険性もあるでしょう。これは明らかに間違っています。
世論調査で5割が増税を支持するというのはね、不思議なことですよ。これではもう、この機会は絶対に逃したくないと財務省は思ってしまう。
浜田: 財務省の人には悪いけれども、地震があったからみんな支持してくれると、天災を増税の口実にしているかたちです。
安倍: これを機に財務省は増税を進めようとする。しかも日経新聞や、かなりの経済学者もそれを支持している。われわれは相当頑張らないと飲み込まれてしまって、結局財政赤字はさらに悪化していく危険性すらある。税収はそんなに伸びないどころか、ダウンするかもしれません。
浜田: そうですね。橋本龍太郎先生が総理だった時もまったく同じです。
安倍: あのときも増税で、景気が底割れしました。
浜田: 結局、景気が悪くなり、税収も減収した。法人税、個人所得税まで減収していくという状態でした。それにしても政治家のがみなさんが、先生のように理解してくだされば日本もずいぶん良くなるんですが。
・成長なしに財政再建などはありえない
安倍: 財政規律ばかりが強調されているんですが、これはわれわれにも責任があります。
消費税を橋本政権下で上げたときに、財政危機を非常に強く国民に訴えたわけです。このままでは大変なことになりますよという、不安を喚起した。ある意味、これが効き過ぎてしまった。最近はギリシャ危機があったので、ギリシャと日本を同一視する人がいる。でもそれは間違った考え方です。
浜田: そうですね。
安倍: かなりの人がそれを平気で言うようになってしまった。財務省も違いを分かっていながら、間違いを指摘しない。たとえば与謝野馨さんはよく「成長ですべては解決しない」という言い方をするんですが、すべてを解決するなんては誰も言っていない。ただ成長せずに財政再建できるかというとそれは無理です。
浜田: とんでもない話ですよ。
安倍: 絶対に有り得ない。
浜田: 経済学者も悪いのです。ギリシャは国も民もみんな借金しているわけですが、日本の場合は、国のほうは富んでいます。世界で見ても、中国には負けるかもしれませんが、日本は今のところ世界の最大債権国です。だから円が下がらないで上がってしまうわけです。
安倍先生には、私から経済メカニズムについて補足なり、申し上げることはほとんどありません。みんなが今日の話を理解してくれれば、日本は変わります。
以上
2013 9月17日 テレ朝インタビュー
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