地政学が米中の経済関係に介入してきたようだ。ロシア科学アカデミー極東研究所のアレクサンドル・ラリン専門家がVORにそのような考えを明らかにした。これはボストンコンサルティンググループ(BCG)が行ったトップマネージャー200人を対象とした調査結果をうけたものだ。その調査では、中国で生産活動を行う米国企業の2つに1つが、米国への生産拠点の引き揚げを予定しているか、その可能性を検討しているということが分かった。
主な原因は、中国における労働力の価格が上がってきたことだ。第二、第三の理由は、消費者への距離と製品の品質の問題だ。ここで政治的理由が挙がっていないことについて、アレクサンドル・ラリン氏は次のように指摘している。
-中国は経済大国として、世界でも最も急速に発展しています。経済規模で言えばGDPはすでに米国に迫っています。ほぼすべての専門家が、中国は間もなくGDPで世界のトップに立つと予測しています。つまり米国を抜いてトップになるわけです。これで米国が喜ぶはずはありません。米国人の愛国心が作用し始めています。つまり、中国からその優位性を奪うという経済的利益が絡んでいるのです。
昨年2月にもBCGによる同様の調査が行われた。当時、中国市場からの撤退を検討していたのは、売り上げ10億ドル以上の企業のうち37%だった。いまやその数字は54%になっている。先の大統領選挙でも、オバマ氏、ロムニー氏ともに、企業が中国から撤退し、米国で雇用を創出するよう訴えたのだった。アレクサンドル・ラリン氏はまた次のように指摘している。
-それについては米国の政治家らがかなり以前から口にしています。米国と中国はすでにかなり激しく対立しています。米国の政治家や解説者らは、中国封じ込めまで口にしているのです。中国は、米国がそのような政策を取ることに不満を表明しています。それはすべて、中国からの撤退のような米産業界の一連の決定に弾みをつけるものです。
一方、地政学は日本企業の中国での発展についても期待をしぼませている。それは領土問題をめぐって中国が日本の物すべてに否定的な態度を示しているからだ。領土問題は、トヨタや日産といった大手にまで暗雲を落としている。両社とも需要減少を背景に生産を縮小している。
8月にはホンダは中国ではなく、タイに新工場を建設することを決定した。これは能力を一気に50%引き上げるものだ。またトヨタは2億3000万ドルの投資を中国ではなく、インドネシアに向けることを7月に発表した。日本企業が政治的理由から今後どれほど中国から撤退するのか、専門家でも予想がつかない。
日本は中国についての戦略的誤算を認識しているらしいということだ。中国の経済的奇跡の背景には日本の資本があった。しかしそれは日本を経済的に名誉ある地位から追い落とすこととなった。日本が中国を許すことはないだろう。