警察、長安街を封鎖、AFP記者ら一時拘束、ネット投稿次々削除
産経
28日、中国の短文投稿サイト「微博」に投稿された、北京の天安門前で炎上する車両の写真(共同)
【北京=川越一】平日も観光客らでにぎわう北京中心部の天安門広場が一瞬にして、惨事の舞台となった。
28日正午(日本時間午後1時)過ぎ、1台のスポーツ用多目的車(SUV)が天安門前の歩道を暴走、
建国の父、毛沢東の肖像画の下で炎上した。
中国のインターネット上に掲載された写真には、炎と黒煙を上げる車両が写っていた。
フランス通信(AFP)によると、爆発音を聞いた目撃者もいる。
武装警察の車両数台が天安門前を走る長安街を封鎖。小銃を携えているように見える迷彩服の武装警官の姿や、
通行が止められ遠巻きに現場をうかがうタクシー運転手が緊迫した状況を物語っていた。
発生後、中国版ツイッター「微博」には、暴走車両にひかれたのか下を向いて嘔吐(おうと)する男性や、
不安げな表情を浮かべる欧米系とみられる観光客の姿を写した写真が投稿された。
が、事態の拡大に神経をとがらせる当局は、衝撃度の高い写真や「政治的な要求があった」
と計画的犯行を疑う書き込みなどを、次々と削除したもようで、同日夜には、多くが閲覧できなくなっていた。
現場近くで取材しようとしたAFPや英BBCの記者らが一時拘束されたという。
香港の報道によると、1982年にもタクシーが天安門広場に突入し、今回と同じく金水橋の柵に衝突して炎上。
5人が死亡、19人が負傷する事件があった。停職となった女性タクシー運転手が腹を立てて犯行に及んだという。
また、報道によると、四川省南充市で28日午前、中型バスが交通警察と裁判所の敷地に突っ込み、
敷地内の複数の車両に衝突、警察官2人が負傷した。
公安当局が運転手を拘束し調べている。こちらも背景は不明だ。
天安門車両突入:共産党統治に不満持つ少数民族か
毎日新聞 2013年10月29日 11時18分(最終更新 10月29日 11時28分)
車の炎上事件から一夜明け、天安門前を行き交う見物客ら。路面は水で洗われていた=北京市内で2013年10月29日午前、工藤哲撮影【北京・工藤哲】中国・北京市中心部の天安門で28日、車両が歩道に突入し5人が死亡、
日本人を含む38人が負傷した事件で、共産党統治に不満を持つ少数民族が抗議の意思を示すために天安門に突っ込んだ
との見方が浮上している。
中国版ツイッター「微博」には公安当局が事件当日に市内の宿泊施設に情報提供を求めたとされる通知文を写した画像が出回り、
当局がウイグル独立派が関与した可能性を視野に捜査を進めている様子がうかがえる。
微博に投稿されたのは、北京市の治安管理総隊が28日に市内の宿泊施設に出した
「違法車両の手掛かり内偵工作の即時展開に関する通知」の画像。
そこには「28日にわが市で重大事件が発生した」と記したうえ、
容疑者として、新疆ウイグル自治区に戸籍登録するウイグル族とみられる男2人の氏名と個人情報が書かれている。
また、違法容疑車両として、新疆ナンバーの小型四輪駆動車4台のナンバーも掲載されている。
そのうえで「10月1日以降の宿泊客や駐車車両を調べ、手掛かりがあれば、直ちに当局に届けてほしい」と捜査への協力を求めている。
通知に記されていた治安管理総隊関係者とみられる人物は
毎日新聞の取材に「容疑者の人定などは公安省に問い合わせてほしい」とだけ答えた。
うち1人の本籍地として記載された地域は今年6月、治安当局と武装グループの大規模な衝突があった場所。
同自治区内では今年に入り民族問題に根ざす衝突が相次いでいる。
現場周辺では一夜明けた29日朝、通常より多い警官やパトカーが出動し、不審な動きに目を光らせた。
車が進入した幹線道路「長安街」北側歩道の入り口の一部が封鎖される一方、
清掃車が行き交って路面を洗っていた。
国際情報紙「環球時報」は29日付の社説で事件を取り上げ「事件がテロと関係があるかは分からない」
と前置きしたうえ「テロリストや、社会への報復を企てる極端な者の中には、
有名になるためにこうした方法を考えることはあり得る」との見方を示した。