【萬物相】香典に代わり寄付金、美しい葬儀文化
「ジョン・ウィリアム・ヨーゼフ氏が2013年10月6日、82歳で他界。し因は心臓まひ。ヨーゼフ氏には妻と5人の子どもがいた。 弔問は、10月9日午前6時から午後8時までペアファッ クス斉場で。ミサは10日午前10時、聖霊聖堂。弔花の代わりとなる追悼寄付金は、聖ジュドー子ど も病院に」
数日前、ワシントン・ポストに掲載された訃告の一つだ。この日、同紙に掲載されたその他の訃告も香典を遠慮する旨が記載されていた。
米国では、弔問客たちが30-50ドル(約2930-4880円)を故人が決めた機関に寄付する。全ての寄付者は税金控除の対象となる。英国でも弔問客が 弔花を買う資金を寄付金に回している。わずか1-2ポンド(約157円)だ。米国や英国では、最近は「愉快な葬儀」が注目を集めている。故人は生前に「私 の葬儀では友人と一緒に愛唱曲を聞きたい」と依頼しておく。弔問客たちは、音楽に合わせて楽しくダンスを踊る。
日本の喪家 でも香典は受け取る。その代わり、遺族は葬儀が終わった後、弔問客に半返しする。最近では数人の家族や友人同士で葬儀を行うケースが増えている。故人の知 人に「現世での送別の集い」のための招待状を送る。故人の位牌の前で黙とうし、何人が追悼の辞をささげて終わる。
韓国の有 名人の葬儀は、自分の身分と勢力を誇示するのに忙しい。花輪が多過ぎて、リボンだけでも数百個が壁に飾られる。数千人の弔問客がさつ到するため、厳かな雰囲 気は演出しにくい。扶助金の封筒がたまる中、自然と酒宴が開かれる。ある公職者は、母の葬儀の扶助金として1億7000万ウォン(約1560万円)も受け 取り、国会の聴聞会で論議を呼んだ。また、ある公務員は、父の葬式の訃告状に口座番号まで記載し、後味を悪くした。
数日 前、大田では兄弟が母の葬儀を行った後、母の遺体を病院に放置したまま、扶助金だけを持って行方をくらますという事件が発生した。韓国の相互扶助の伝統 が、現金封筒の匂いによって変質してしまった極端なケースだ。そうかと思えば、気品あふれる新たな葬礼文化を誰に広めるわけでもなく、ただ黙々と実践する ケースもある。ある4兄弟は父の葬儀で受け取った5000万ウォン(約460万円)の香典を全額奨学金として寄付した。数日前にこの世を去った小説家、 チェ・イノ氏の遺族は、初めから香典を受け取らなかった。母の葬儀を秘書に知らせなかった大企業の社長もいた。これでこそ、故人の香りが長く残るというも のだ。いつになったら韓国でも、米国の新聞の訃告のように「香典は養老院や孤児院に送ってください」という美しい文句が見られるようになるのだろうか。
朴海鉉(パク・ヘヒョン)論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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