【コラム】「先進国になった」という錯覚の沼にはまった大韓民国
2013年11月15日14時44分周囲では誤った認識、すなわち「錯覚」で、個人はもちろん組織の運命も誤った方向へ向かってしまう場合をよく目にする。軽い風邪だと思って放置してい たら肺炎になる一方、市場と技術の変化を読み誤って危機に陥る企業もある。このように錯覚は非常に些細なことでも危険な結果を招く。
韓国が先進国になったと考える人が多い。町中にあふれるおしゃれな服、素敵なレストラン、高級自動車、空港を埋め尽くす海外旅行客、 最新スマートフォンを見ながら、我々は裕福だと考える。経済指標はさらに輝かしい。韓国は年間貿易規模世界8位、経済規模(GDP)15位というすばらし い実績を誇っている。このため多くの人々は、韓国はもう先進国の仲間入りを果たしたのだから低成長も仕方ないと考える。今では分期別GDP成長率が1%で も越えたら自身に満足して祝杯を上げようという雰囲気すら感じられる。
ところで我々は本当に先進国なのだろうか。まず基本的なものさしである経済的な側面を見ると私たちはまだ中進国水準に近い。韓国の GDP順位が高いと言っても、これは世界で25番目に多い人口のおかげだ。1人当たりのGDPを見ると、韓国は34位でオマーンやバーレーンよりも低く、 香港やイスラエルの3分の2ほどに過ぎない。国民の生活水準も先進国と違って余裕がなく窮屈この上ない。韓国開発研究院の発表によると、韓国国民1人当た りの住居面積(2010年基準)は25平方メートルで、ドイツ・英国・フランスなど先進国の50~60%水準にとどまっている。小さな家に住むことで有名 な隣国・日本よりも狭い。生活の中の憩いの場である公園はもっと不足している。ソウル市民1人当たりの公園面積は8.5平方メートルでロンドンとベルリン の3分の1に過ぎない。
国民意識も先進国と大きな開きがある。世界銀行は「法治主義」の順位が高いほど経済・社会発展の水準が高いと指摘した。ところが韓国 の法治主義順位は経済協力開発機構(OECD)加盟国31カ国のうち25位と最下位圏だ。法治主義がよく守られている米国の場合、現役議員もデモの途中で ポリスラインを越えたという理由で逮捕され、これに対して誰も抗議しない。法を犯せば誰でも処罰を受けるという社会的共感が形成されているためだ。一方、 韓国は地域・労使・理念など社会的葛藤も深刻だ。韓国の葛藤水準はOECD加盟国のうち2番目と深刻で、社会葛藤に伴う経済的損失は年間最大246兆ウォ ン(約23兆円)に達する。
韓国は先進国に向かって順調に進んでいるわけではないのだ。経済的な面だけを見ても韓国の 推進動力はますます弱くなっている。最近、韓国経済は世界平均にも及ばない成長率を記録している。過去10年間でたった2年だけ世界平均成長率を若干越え たことがある。2002年までに世界経済成長率の2~3倍成長していた韓国経済はすでに停滞状態だ。類似水準の他国と比較してみても韓国の成長は非常に遅 い。先進国は1人当たりの国民所得が2万ドルから3万ドルになるまでに平均9.6年かかった。日本とスウェーデンは5年、ドイツは4年でこの壁を突破し た。3万ドルから4万ドルに至っては平均5.6年しかかかっていない。しかし韓国は2007年に2万ドルを越えてから、まるで沼にはまったかのようにいま だ2万ドル前半水準から抜け出せずにいる。
このように、韓国はまだ先進国とは言えず、またそちらへ向かっている様子でもない。手遅れになる前に「先進国錯覚症」から抜け出さな ければならない。そうしてこそ低成長を当然のように受け入れる「低成長不感症」からも抜け出すことができる。どうせ錯覚するのであれば、「私は自分のチー ムが一番弱いと思う」と話す野球の金星根(キム・ソングン)監督の言葉のように悲観的な錯覚がましだ。楽観的な錯覚は努力より油断を招く。
毎年11月は政府と企業・個人が来年の計画を準備する時期だ。「これくらいならいいだろう」というような消極的で安定的な計画ではな く、積極的で挑戦的な計画を立ててみよう。政府は攻撃的な成長政策とビジョンを提示し、企業は企業家精神を発揮して積極的な投資を行い、国民は冒険的で創 造的な仕事に挑戦しよう。「満たされるな、貪欲であれ(Stay Hungry,Stay Foolish)」というスティーブ・ジョブズの言葉のよう に、満たされし者に未来はないものだから。
イ・スンチョル全国経済人連合会常勤副会長
日本人の目から見ても、実に中途半端な位置にいるのが南トンスルランドw
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