【正論】東洋学園大学教授・櫻田淳 首相靖国参拝への「3つの条件」
2013.11.19 03:08 [正論]
10月中旬、安倍晋三首相は、靖国神社秋季例大祭に際して「参拝見送り」の判断を下した。安倍首相の「参拝見送り」は、中韓両国に対する「配慮」という表層的な解釈よりも、両国の反応を試すための術策という解釈が、相応(ふさわ)しいのではないか。靖国に関していえば、自ら幾年も参拝していた小泉純一郎元首相に比べれば、真榊(まさかき)奉納という線で止めている安倍首相の方が余程(よほど)、抑制的である。
≪ハードル下げた中国の反対≫
もし、この「抑制的な対応」を前にしても、中韓両国が対日姿勢を改めないならば、「雪解け」を望んでいないのは日本ではなく中韓両国であるという演出を行うことは、十分に可能である。
「意固地になっているのは中韓両国である」という印象が広まれば、国際的な立場が悪くなるのは両国である。だからこそ、日本は、「対話の窓はいつも開いている」という姿勢で徹底しているのである。
然(しか)るに10月18日付の中国共産党機関紙、人民日報は、首相の真榊奉納は「迂回(うかい)参拝」であり、「自ら参拝するのと性質は全く同じで何の区別もない」と批判する趣旨の社説を掲載した。安倍首相が「真榊奉納」という水準に抑える対応を示したにもかかわらず、中国共産党政府は、それを受け容(い)れないということが明らかになったわけである。
この中国政府の反応によって、安倍首相の靖国参拝へのハードルは、実は一気に下がったといえよう。「どのような配慮をしても徒労に終わる」のであれば、「参拝自制」という政治選択の効力が失われるからである。
そうであるとすれば、次に挙げる3つの条件を踏まえたうえならば、安倍首相が靖国参拝を決行したとしても、何ら支障はないということになる。
第1に、靖国神社参拝は本来、純然たる「鎮魂の行為」でしかないという説明を徹底させる。
第2に、中韓両国の反発が意固地にして非合理なものであるという対外「宣伝」を行う。
第3に、米国を含む他の同盟国からは誤解や疑念を招かぬようにする配慮を徹底させる。
靖国参拝が、もはや「鎮魂の行為」ではなく「政治の案件」に祭り上げられてしまっている以上、こうした3条件を満たす努力は大事であろう。そして、次に問われるのは、「それならば安倍首相はいつ、参拝を決行するか」ということであろう。安倍首相は早期の参拝を望んでいるようであるけれども、中韓両国との関係に配慮する必然性は低落したとはいえ、物事には「順序」がある。それを間違えないことが大事であろう。
≪再来年の春あたりに実現か≫
筆者は、早ければ再来年春にでも参拝がなされれば、それで構わないであろうと推測する。前に触れた3条件に沿った努力が成果として盤石(ばんじゃく)なものになるには、まだ一定の時間を要しよう。
安倍内閣発足以来の対外政策展開は、誠に多くの国々との「縁」を紡ぎ直すことに寄与しているけれども、その「縁」が靖国参拝「案件」に係(かか)わる日本の立場を支えるものになるためには、いろいろと詰めておくべき手順がある。たとえば、現下の日露提携の加速を踏まえれば、プーチン・ロシア大統領から靖国参拝に係わる「理解や支持」の言質を得るのも、一考すべきであろう。
加えて、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の改定作業は、来年中には終わる。むろん、集団的自衛権行使許容に絡む議論も、その頃までに落着していなければなるまい。「普通の国」に向けた安全保障体制構築の努力が、憲法改正を除けば総じて尽くされた段階で、参拝を決行するのが適切であろう。
≪背景の「対中冷戦」に目を≫
四半世紀近く前、地中海のマルタでの米ソ首脳会談以降、「冷戦は終わった」という認識は自明のように受け容れられてきた。しかし、目下、東アジアにおいては、「冷戦は終わった」と果たして断言できるのか。そもそも朝鮮戦争やベトナム戦争のような「熱戦」を経た東アジアの様相は、欧州諸国の様相とは同じではない。
2つの「熱戦」に深く関与した中国共産党体制は、ソビエト共産主義体制崩壊後も依然、命脈を保っている。しかも、習近平中国国家主席は、国内各層への「統制」を前面に出す統治の手法において毛沢東に倣おうとしている。トウ小平以来の「改革開放」の展開が、世の人々に植え付けたのは、共産党統治下の中国が昔日のソビエト連邦とは「別種の存在」であるかのような幻想であったけれども、今は、そうした幻想から覚めるべき時節なのではなかろうか。
「東アジアにおいては冷戦は未(いま)だ終わっていない」。こうした言辞による認識は突飛(とっぴ)な印象を与えるかもしれないけれども、強(あなが)ち誤ってもいまい。靖国参拝「案件」が問い糾(ただ)しているのは、その「残された冷戦」に向き合う姿勢なのであろう。(さくらだ じゅん)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131119/plc13111903090002-n1.htm
韓国に至っては
常軌を逸している
としか
言いようがなくて
<ヽ`∀´> (´Д` )