北東アジア史を専門とする中国人学者は、「中国当局は安重根記念碑の設立に消極的になっている」として、3つの理由を挙げた。
まずは、要人暗さつという過激な手段に出た人物の顕彰は、国内治安に悪影響を及ぼしかねない点だ。中国当局は現在、チベットや新疆ウイグル自治区での焼身自さつや暴動に手を焼いている。そうしたなかで、異民族の統治者に抵抗した安重根のまねをする人物が国内で現れることは、指導部にとって悪夢に違いない。
共産革命や抗日戦争などで戦しした中国の英雄が多数いるのに、外国人の記念碑を優先して作ることには軍人や保守派の反発も予想される。冬の氷雪祭で知られる観光都市ハルビンで、公の場に安重根の記念碑を作れば、日本からの観光客が減る可能性もある。