タイタニック、中国船なら…「死者は10人!」
2013.12.1 12:00ある米国人数学者が中国を訪問した際、天才と呼ばれる小学生に会った。数学者は簡単な問題を出した。
「あるデパートが火事になった。500人の客のうち100人が自力で脱出し、50人が消防隊員に救出された。さて、死者は何人か」。小学生はほとんど考えずに答えた。「10人!」
「残念だ。君は算数をあまり知らないようだね」。そう話す数学者に小学生が切り返した。「あなたは中国という国をあまり知らないようですね」
中国のインターネット上で流れている小話で、いつも事件や事故の死者を過少に発表している中国当局を皮肉ったブラックジョークだ。山東省青島市の住宅地の 近くで11月22日、石油の輸送管の大規模な爆発事故が起きた。当局は死者50人超と発表しているが、インターネットでこの数字を信用する人は少ない。 「写真などで現場の惨状を見る限り、死者は数百人以上」とみる人が多い。
2011年夏、温州で起きた高速鉄道の追突事故の死者は35人と発表されたが、追跡取材した中国人記者は「実際は100人超えた」と証言する。政 府の圧力で遺族は名乗り出られないという。ここ数年、炭鉱事故で百人以上の死者を出した河北省や山西省などで、「死者は11人」とか「死傷者なし」などと 発表し、その後、虚偽が確認されたケースもあった。
事故で死者が多ければ、地元幹部が監督責任を問われ更迭、その工場や炭鉱が生産停止に追い込まれる可能性がある。だから当局は必死で真相を隠すのだ。地方政府のメディア統制があるからこそできる方法だ。
ネット上には、「タイタニックが中国の管理下の船だったら、当局は死者を10人以内に抑える自信がある」という書き込みもあった。(北京 矢板明夫)