【大阪から世界を読む】韓国大企業はなぜ次々と格下げされるのか…「信用」が醸成されない社会の問題
2014.4.4 07:00 (1/4ページ)[大阪から世界を読む]
日米韓首脳会談後に退席する安倍晋三首相(右端)と韓国の朴槿恵大統領。朴大統領の非礼ぶりに信頼感は生まれない。オバマ米大統領が気を遣い、両者に声をかけているが…=2014年3月25日(AP)
韓国の大企業の「格下げ」が年初から相次いでいる。高コスト構造や過剰な設備投資などが理由とみられるが、この中には、過去10年で3度も顧客情報を大量流出させた企業も含まれているという。国をリードする大企業による稚拙な対応は、初顔あわせとなった首脳会談で、韓国語で話しかけた日本の安倍晋三首相に、無礼な対応しかできない朴槿恵大統領の「幼稚さ」とどこか重なる。経済も、政治も、韓国が信用するに足らない理由の根は同じだ。
高コスト構造、過度な設備投資に、過剰な中国依存
ムーディーズは今年2月、韓国の情報通信大手のKTを、投資リスクがほとんどないことを示すA3からBaa1と1段階引き下げた。高コスト構造が問題視された上に、携帯電話市場の伸び悩みが懸念された。そのうえ、今後1~2年、売却できる資産がない状態で利益を上げることが難しいとみなされた。
KTを含め、韓国の主要企業は今年に入って、次々と信用格付け会社の評価を下げている。ムーディーズは、LGエレクトロニクスと石油大手GSカルテックスをそれぞれBaa2からBaa3としたほか、ロッテショッピングもBaa1からBaa2に。鉄鋼大手のポスコもフィッチから格下げされた。
韓国の国内総生産(GDP)の約7割は十大財閥企業が占めているされ、主要企業の相次ぐ格下げは韓国経済の失速に直結する。
理由はさまざだが、例えば、LGエレクトロニクスの場合、携帯電話市場での中国企業の進展が競争圧力になり、今後、収益に影響を及ぼすことなどが指摘されている。
韓国企業は高コスト体質に加え、過剰な設備投資をし、部品の供給については日本や中国に依存。格下げは、市場進出も含め、過度な中国依存を続けていることへの警鐘ともいえる。
もっとも、KTの場合、引き下げられた後、信用するに足らないだけの理由が発覚した。
10年間で2千万人分以上の個人情報流出
中央日報(電子版)や米CNN(電子版)などによると、3月初旬、KTはハッカーに1年間で加入者の4分の3にあたる1200万人分の顧客情報を盗み出されていたことが判明した。警察当局は事件に関わっていた29歳と37歳の男を逮捕した。
まず29歳の男が自作のプログラムでKTのコンピュータシステムに進入し、情報を盗み、これを電話勧誘業の37歳の男に売り渡した。男は顧客に電話し携帯電話を売っていたのだが、2人は計115億ウォン(約11億円)も売り上げていたとされる。
実は、KTが顧客情報を大量に流出させたのは今回が初めてではない。過去10年間で今回が計3度目だ。中央日報によると、同社は2004年に92万人分、12年に877万人分の個人情報をそれぞれ大量流出させている。
今回の事件後に、KTは「内部のセキュリティ・システムを強化し、すべての従業員の保安意識を高める」と謝罪。しかし情報通信会社が顧客情報を大量に流出させるという杜撰な企業体質について、中央日報(電子版)は「犯人が極めて初歩的なプログラムを利用して顧客の個人情報を盗み出すのを1年間も気付かず放置した」と批判している。
また、KTの前会長は昨年11月、強引な買収地融資で数百億ウォンの損害をもたらしたとして、背任容疑で検察当局の捜査を受けた。その後、子会社の社員が3千億ウォンもの融資詐欺事件に関与する事件も発覚。企業倫理に乏しく、安全意識が極めて低いとしか言いようがない事件が相次いでいる。
中央日報によると、韓国の信用機関「韓国信用評価」は3月13日、これを契機に、KTと子会社5社について信用等級下方監視対象にしたと発表した。
信用のない社会…崩壊の序章?
25日の日米首脳会談後にドイツを訪れ、ベルリンでメルケル独首相と会談し、共同記者会見で、日韓関係をはじめとする東アジア醸成について「対話を通じ信頼醸成を進めたい」と述べた。
果たして、信頼とは何だろうか。
日米首脳会談で、朴大統領は、韓国語で「お会いできてうれしいです」と挨拶した安倍首相に対し、目を合わせることもなく、硬い表情のまま。まるで日米韓首脳会談にはイヤイヤ出てきた様子だったという。
また朝鮮日報(電子版)によると、長引く景気低迷で庶民が苦しむ中で、韓国の国会議員の64・5%は2013年中に資産が増えたとされ、1億ウォン(約950万円)増えた議員は78人にのぼる。庶民とはかけ離れた政治の現状に、社会に信頼が生まれるとは考えにくい。
朝鮮日報(電子版)は「外国人投資家にそっぽ向かれる韓国の銀行」と題した記者のコラムを掲載し、「銀行の人事が実力や実績ではなく、コネや働き賭けで決まる」と指摘している。こうした土壌も、信頼なき社会の一因だ。
韓国経済に詳しい日本人関係者からかつて、「中国に進出している韓国の主要企業が、海外、とくに中国での資金調達などで頼ってくるのはソウルにある日本の都市銀行の支店だ」という話を聞いたことがある。
韓国人もまた、韓国人を信用していない、信ずるに足らない国…。大企業の格下げは、社会崩壊の序章かもしれない。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140401/waf14040107210000-n1.htm
悲しい話ですね。