いまだ“安全不感症”の韓国…旅客船乗務員「ライフジャケットの着用法知らない」(1)
2014年05月16日11時46分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] comment0Check hatena0 Tweet
12日午後7時、釜山沿岸の旅客船ターミナル。済州港へ向けて旅客船「ソギョンパラダイス号」(6626トン、定員613人)が出発した。乗客は113人で、車両76台、貨物913トンを積載していた。
出発から25分後、船長の最初の案内放送があった。「天気は晴れ。明日午前6時30分に済州に到着します。安全のために過度な飲酒はお控えください。乗客の安全のために最善を尽くします」。
救命胴衣がある場所と着用方法の説明、非常時の行動指針案内などはなかった。どこからか「船に乗れば救命胴衣の使用方法を必ず知って おくようにと子どもに話したが…」という声がした。チョン・グァンフンさん(82、釜山海雲台区)は乗務員を訪ね、「救命胴衣はどこにあるのか」と尋ね た。乗務員は「ベッドの下にあるはず」と答えた。しかしそこに救命胴衣はなかった。しばらく探すと、客室の廊下に救命胴衣保管箱が見つかった。そこは空 だった。別のところも同じだった。チョンさんは3つ目の保管箱を開けて、ようやく救命胴衣を見つけた。旅客船「セウォル号」沈没事故が発生してから1カ 月。沿岸旅客船運営会社の安全不感症は相変わらずだった。安全教育は徹底されず、非常脱出口はふさがれていた。
ソギョンパラダイス号の乗務員は救命胴衣の着用法を把握していなかった。「説明してほしい」という乗客の要請に救命胴衣を試着した乗 務員は、どのひもをどこに掛けるのか分からず困惑した。そして「新型なので従来のものと少し違う」とし「胴衣が体から離れないようにひもでしっかり固定す ればいい」と話した。
すると「乗務員も知らないものを乗客がどうやって着用するのか」(チョン・ムンジャさん、76、蔚山中区)という声が飛んだ。外国人 乗客は不安な表情だった。済州に自転車旅行に行くというランさん(40、台湾、女性)は「英語の案内がないので、事故が発生すればどうしたらよいのか分か らない」と話した。
ソギョンパラダイス号だけではなかった。13日午前9時に慶尚北道浦項旅客船ターミナルを出発して鬱陵島(ウルルンド)へ向かうサン フラワー号(2394トン、定員920人)も同じだった。出港直前に救命胴衣の着用法と非常時の行動要領を知らせる映像が流れたが、エンジンの音のため説 明は聞こえなかった。映像を見たキム・スンドクさん(53、大邱)は「どうすればよいということなのか」と語った。救命胴衣は古く、ホコリがかぶってい た。一部の救命胴衣は夜間に位置を知らせる救命胴衣灯がなかった。
旅客船2階の2番非常出口の前では中年女性3人が横になっていた。全6カ所の非常脱出口のうち4カ所がこのように乗客または荷物でふ さがれた状態だった。乗務員はそのまま放置した。匿名を求めた乗務員は「乗客に場所を空けてほしいと話すと雰囲気が険悪になることがある」と話した。
セウォル号の事故後に変わったことは、切符を購入して乗船する際、身元確認を徹底的に行うという程度だった。貨物室の車両も固定させた。ソギョンパラダイス号を何度か乗っているという乗客は「セウォル号の前には見られなかった風景」と語った。
ソギョンパラダイス号は11時間30分の航海を終えた後、済州沿岸旅客ターミナル到着を控え、「まもなく到着します。客室の鍵を返却してください」という案内放送をした。乗客の乗船後2度目であり最後の放送だった。最後まで安全に関する案内はなかった。
海洋警察庁「旅客船安全管理指針」には「船長は出港後、モニターおよび船内放送施設を利用したり、船員の試着を通じて、旅客(乗客) に救命胴衣の使用法を案内しなければならない」と明示されている。しかしこれを守らなくても処罰しない単純な指針にすぎない。韓国海洋大のユン・ジョン フィ教授(海洋警察学)は「従わなければ司法処理が可能な規定を設ける必要がある」と述べた。
◆川・湖観光船も安全死角地帯=慶尚北道安東河回村には洛東江(ナクトンガン)を渡る小さな観光船がある。定員は12人だが、週末は 30人以上乗るのが普通だ。水深3メートルの川を渡る。安東警察署は13日、安全規定を守らなかった船長(59)を立件した。内陸の川と湖を行き来する船 も「安全」とは距離がある。これは慶尚北道と消防防災庁・海洋警察がセウォル号事故後に実施した安全点検でも明らかになった。救命胴衣を船の下に集めて置 いている観光船もあった。浦項運河を行き来する46人乗りクルーズ船は船内あちこちに設置すべき消火器を後方に集めて置いているのが摘発され、是正指示を 受けた。
また起きるぞ。