<日露首脳会談>対話継続を確認 欧米に警戒感強く
毎日新聞 10月17日(金)21時31分配信
【ミラノ仙石恭、田中洋之、斎藤義彦】アジア欧州会議(ASEM)のためイタリア訪問中の安倍晋三首相は17日午前(日本時間同日午後)、ロシアのプーチン大統領とミラノ市内で約10分間会談し、政府間の対話継続で一致した。11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際に首脳会談を行うことも確認した。北方領土交渉を進展させたい首相は、ウクライナ問題が長引く中でも、プーチン氏との関係維持に努めている。ただ、欧米には日露の接近に警戒感が強く、首相の立ち位置の難しさは変わっていない。【日露首脳会談、日本側の狙いは?】
両首脳の会談は今年2月以来だが、最近も電話協議を重ねている。首相は「困難な状況下でも日露の政治対話の継続を重視する」と表明。ウクライナ問題について「停戦合意の完全な履行が確保されるよう大統領の指導力発揮に期待したい」と述べた。首相がこの問題を提起するのは、日露関係とともに、主要7カ国(G7)間の協調も重視している姿勢を示す必要があるためだ。首相は、イスラム過激派組織「イスラム国」への対応でロシアの協力も要請した。
ただ、プーチン氏は「(ウクライナ和平への)プロセスはゆっくりと前向きに動いているが、まだ立場の違いはある」と述べ、G7との温度差を隠そうとしなかった。
首相は17日午後(日本時間同日深夜)、ロシアとの関係が微妙なバルト諸国に北欧諸国を加えた8カ国と初の首脳会談を開催した。ウクライナのポロシェンコ大統領とも会合を予定している。ロシアをけん制する立場をあえて示すことで、日露接近の色合いを薄めようとしているのは明らかだ。
ロシアはアジア重視の外交に転じており、中国との経済協力を強化する一方、過度の対中依存を避ける意味で、日本との関係を重視している。プーチン氏の訪日は延期が確実だが、「大統領は日本の招待を受け入れた」(ラブロフ外相)として、実現を否定してはいない。日本の対露制裁についても「日露関係を傷つけた」(アファナシエフ駐日大使)と不快感を示しつつ、欧米に対する食料品の禁輸のような厳しい報復措置はとらず、一定の配慮をみせてきた。
ロシアは安倍政権との関係を軸に、アジア外交で中国とのバランスを維持したい考え。日本を通じて欧米との過度の対立を避ける狙いも透ける。
一方、欧州連合(EU)は、ウクライナ問題の平和的解決を目指している。EU高官は今回の日露首脳会談について、毎日新聞に「日本としては中露が近づくのを懸念したのだろう。しかし、プーチン氏の訪日となると、すべてが解決したというメッセージになり、事情が違う」と述べ、G7によるロシア包囲網に亀裂が入ることを警戒する。
共同通信によると、米政府高官も「ロシアが孤立感を味わうことが重要」と語り、プーチン氏の訪日は当面望ましくないとの考えを示したという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141017-00000098-mai-pol