北朝鮮によるGPSかく乱、韓国政府は右往左往
特に対応しなかった大統領府、後になって緊急NSC開催
1カ月前から知っていたのに公開しなかった韓国軍、被害の集計も部処ごとにまちまち
コントロールタワーを尋ねると、お互い「あちら側」と答えてなすりつけ
北朝鮮が、先月31日からGPS(衛星利用測位システム)電波のかく乱攻撃を続けている。GPSを用いた航法装置がうまく動かず漁業 者が操業をあきらめるケースが続出したが、部処(省庁に相当)ごとに被害の集計状況が異なり、互いに責任の押し付け合いをするなど、韓国政府は未熟な対応 をしているという批判が起きている。
未来創造科学部(未来部。省に相当、以下同じ)は31日午後7時30分、北朝鮮からの GPSかく乱信号をキャッチして「注意報」を発令したことを明らかにした。ところが、韓国軍当局では既に1カ月前から、北朝鮮の持続的なGPSかく乱の兆 候を確認していたにもかかわず、これを公開していなかったことが判明した。国防部側は「被害を減らせるほどではなかった」と釈明したが、北朝鮮が4回目の 核実験に続いて長距離ミサイルを発射し、さらに中・短距離飛翔(ひしょう)体と相次いで挑発を敢行している状況では、総合的な判断が必要だった。
部処ごとに被害の集計も異なっていた。海洋水産部と海警は1日「午前中までに東海(日本海)と西海(黄海)で、操業中の漁船や客船、商船など約280隻の GPS航法装置が誤作動した」と発表したが、一方で未来部は「午後3時現在、大型船67隻がGPSかく乱の影響を受けた」と発表した。
さらにその後、国民安全処は「1日午後7時現在、航空機213機(外国の航空機を除く)、船舶377隻がGPSかく乱の影響を受けた」と発表した。北朝鮮 がGPSかく乱信号を送信している場所も、国防部は「黄海南道海州と延安、江原道平康と金剛山の4地域」としているのに対し、未来部では延安を除いた3カ 所しか発表していない。国防部は1日、北朝鮮のGPSかく乱攻撃に対して総括対応を行うコントロールタワーではないのか、という質問に対して「未来部だ」 と答えた。ところが未来部は「今回の事案は北朝鮮と関連があり、全体的なことは国防部で統合対応している」と答えた。
北朝 鮮は2010年8月に4日間、11年3月に11日間、11年4-5月には計16日間もGPSかく乱攻撃を行った。3回のかく乱攻撃で、韓国の航空機 1137機と船舶265隻が被害に遭った。今回もGPSのかく乱がしばらく続くと予想できたにもかかわらず、韓国政府は1日午前まで特に対応しなかった。 韓国大統領府(青瓦台)は、被害状況が次々と入ってきて部処間の混乱が生じていることを受け、1日午後2時30分に金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室 長主催の緊急国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開いた。
東海では1日、北朝鮮のGPSかく乱のため、漁業者が正常に操業できなかった。船のナビ役を務めるべきGPSプロッターが機能を失い、船や網の位置が分からなくなったからだ。
国防部は1日午前「韓国の航空機同士が衝突する等の人的・物的被害が(実際に)発生した場合(北朝鮮は)相応の代償を払うことになるだろう」という立場を 明らかにしたが、午後4時には「電波のかく乱行為を続けるならば、相応の代償を払うことになるだろう」と、北朝鮮に対する警告を強めた。
チョン・ヒョンソク記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版