トラブル頻発の純韓国製リニア「仁川空港磁気浮上鉄道」に乗ってみた
HARBOR BUSINESS Online 5月4日(水)16時21分配信

相次ぐトラブルで一度は開業無期限延期となるも2016年2月3日に開業し、3か月を迎える韓国のリニアモーターカー(仁川空港磁気浮上鉄道)。100%韓国技術で設計、製造し、日本のリニモ(愛知高速交通東部丘陵線・営業区間8.9km)に次ぐ世界で2番目の商用化リニアモーターカーと国内外へアピールしている乗り物だ。
仁川国際空港から営業区間5.6km、6駅を12分で結んでいる。度重なるトラブルを経て念願の開業だった2月3日の記念すべき開業一番電車も出発から8分後に速度オーバーで緊急停止、浮いているはずの車両が線路へ落下するトラブルが発生したことは各媒体で報じられた。
(参照:「世界2番目の韓国リニアモーターカー、運行開始から8分で急停車」中央日報)
開業から3か月、最近はトラブル報道も含めて話題に乏しい韓国リニアへ乗ってみた。
◆乗り心地はスムーズだけど速くはない
そもそも、韓国リニアは、何のために作られたのだろうか。仁川国際空港から有名な観光地があるわけでもなく、空港や航空、運送関係のオフィスがある島内を12分ほど走るのみで、観光客も一般的な韓国人も利用する実用性が感じられないからだ。
韓国鉄道に詳しい研究者は、「韓国はリニアや鉄道技術を海外への売り込み、日本や中国が力を入れている鉄道輸出へさらに力を入れようとしています。そのために韓国オリジナル設計や製造である点に強くこだわり、さらに世界で2番目(※)の商用化という順位も重要視しています。その理由は、この後に中国でのリニア開通ラッシュが控えているからです」
韓国リニアの乗り心地はどうであろうか、乗車してみた。
仁川国際空港と連結している空港鉄道の仁川国際空港駅の上にリニア駅はある。現時点は無料で乗車することができ、ボランティアと思われる60代くらいの男女がホームで乗車案内をしていた。
運行時間は、午前9時から午後5時まで1時間に4本ある。実際に乗車してみると、さすがに新しい車両なので清潔感があり、内装デザインも明るい。また、無人運転のため先頭車両へ座るといい景色が望める。また、数ミリではあるが浮いているので、スーと滑るように動き音は静か、走行も安定していた。
ただ、筆者個人が浮上式リニアに慣れていないせいか、リニア車両がカーブへさしかかったり、対向車とすれ違うときには、落下恐怖を抱いた。
6駅、12分ほどで終点「龍游駅」へ到着した。ここには空港鉄道の車両基地があり、まだ未開業だが鉄道駅も計画されている。鉄道マニアなら足を運んでみる価値はあるかもしれない。
龍游駅から徒歩10分ほど歩くと海水浴場があり、周辺にはトランジット泊向けのホテルがポツポツ点在している。記者が以前、トランジット泊で利用したホテルも駅から徒歩圏内だった。だが、それ以外はさしたる物はない場所だ。もっとも始発が午前9時、終電が午後5時なので時間的にトランジット客が利用するのは難しく従来通りのホテルの無料送迎に頼ることになりそうだ。
ちなみにこの日、確認できた最高時速は78kmだった。リニモが最高100kmなので、日本の在来線と同じくらいの速度となる。
◆「現政権の実績作り」「税金無駄遣い」の声も
韓国の『中部日報』は2015年4月28日配信の記事で、将来的に37.4kmまで延長させる計画があると報じている韓国リニアだが、韓国人はどう思っているのだろうか。
ソウル出身で中国在住の韓国人男性は、「リニア建設が決まったのは10年以上前ですが、現政権の実績作りだと思っている人も多く韓国国内での関心は低いですね。また、実用性もないので税金の無駄遣いだとネット上でのコメントもあります。あと、車両開発、生産を請け負ったヒュンダイロテムを助ける国策とも揶揄されています」
「ヒュンダイロテム」は、その名から分かるようにヒュンダイのグループ企業で、鉄道車両や軍用兵器などを生産しており、韓国版新幹線「KTX」車両も同社が生産している。ロテムの車両は、すでにフィリピンや香港、アメリカなどへも輸出している実績がある。しかし、近年は業績が悪化していると言われ、韓国政府が財閥優遇政策的に助け舟を出したのではと韓国国内で批判されているのだという。
※浮上する商用リニアモーターカーだと中国の「上海トランスラピッド」があるので世界で3番目ではと思う人もいるだろうが、国内技術を使い無人であることを都市型リニアの定義としているため、上海トランスラピッドを除外して「世界で2番目」としているようだ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160504-00092913-hbolz-int