【コラム】日本の歴史覆しに対する米国の傍観、自国の損失に=韓国
中央日報日本語版 5月16日(月)8時14分配信
国際政治は結局、力の世界だ。ドイツの切々たる歴史反省はドイツ人が天使だったからではない。ドイツの安保現実の影響が大きい。冷戦時代、ドイツは極めて危険な国だった。西は西側ビッグ3の米国・英国・フランス、東はソ連治下の東欧帝国に完ぺきに包囲された状態だった。こうした状況でドイツが第2次世界大戦を起こした責任やユダヤ人虐サツを否認するというのは自サツ行為と変わらなかった。現実的なドイツ人はいち早く決断を下した。過去の歴史を徹底的に反省して欧州のメンバーシップを認められ、経済で勝負しようということだった。戦後ドイツが灰を踏んで欧州一の経済大国、文明国家になった背景だ。
日本は違う。ドイツと同じ戦犯国だが、地政学的にはドイツほど難しい状況ではなかった。隣の韓国は経済規模が20分の1にもならない弱小国だったし、中国も竹のカーテンを吊るして文化大革命の狂気に陥った三流国家にすぎなかった。ソ連は欧州に集中して日本に関心を向ける余裕がなかった。日本がドイツと違い過去の歴史を反省しない厚かましい国になったのは、こうした環境の影響が大きい。
注目すべきは米国だ。戦犯裁判で首脳部を処断した後、経済を復興させ、共産陣営に対抗する砦にしたのは、ドイツも日本も同じだ。しかし過去の歴史をめぐっては違いを見せた。ドイツに対してはナチスの蛮行を絶えず想起させた。米国ビザを申請する外国人に「ナチスに関与したことがあるか」という質問項目が数年前まで存在したほどだ。しかし日本の戦争責任や蛮行に対してはこのように執拗ではなかった。ハワイ真珠湾にゼロ戦の爆撃で沈没した戦艦アリゾナの残骸を記念館にしたこと以外に、米国内で日帝の罪悪を想起させる施設は探すのが難しい。
なぜこのような違いが生じたのだろうか。米国の根が欧州であるためドイツとの戦争記憶が強く残った側面があるだろう。しかしより大きな理由はワシントンの官民を掌握したユダヤ人のパワーのためだ。ナチスの蛮行とユダヤ人の残酷史を代々伝えて歴史を守ろうとするユダヤ人の努力は想像を超越する。韓国のある漫画がユダヤ人を否定的に描写したとして米国ユダヤ人団体がソウルに飛んできて修正を要求し、米国務省も「反ユダヤ主義」と批判するほどだった。
残念ながら日本に関連する過去の歴史に対してはこのように強力な番人がワシントンにはいない。安倍晋三が見せつけるように靖国神社を参拝しても米国務省は「失望した」という一言で済ませる。ドイツ首相がヒトラーの遺骸が安置された聖堂を参拝するのと変わらない。もちろん米国にも太平洋戦争参戦勇士を中心に日本の歴史修正の動きに反対する勢力が存在する。しかしユダヤ系ほど資金や力がなく、影響力が弱い。このため日本は米国の大統領までも広島に呼んで「被害者」ショーをするに至った。このままだと、日本は真珠湾空襲も米国が誘導したものであり、太平洋戦争の責任を自分たちだけに問うのは不当だと強弁することになるかもしれない。
その場合、最も大きな損害を受けるのは米国だ。米国主導で樹立された戦後の秩序をひっくり返す日本の「作業」を傍観し、助けることで、北東アジアのパクスアメリカーナを自ら崩す結果を招くからだ。これは日本帝国主義から最も大きな苦痛を受けた韓国にも災難だ。日本が米国の黙認の中、過去の歴史覆しに成功すれば、我々に対してよりいっそう厚顔無恥な態度を見せるに違いないからだ。
それだけに我々は米国内の良心勢力と手を握り、日本の歴史覆しが米国に及ぼす悪影響をワシントン官民に知らせなければいけない。慰安婦問題も重要だ。しかしこのように韓日間の問題だけを取り上げれば、米国の積極的な対応は引き出しにくい。人は自己の利害が絡むことに先に動くものだ。国も同じだ。したがって安倍首相の靖国神社参拝や太平洋戦争責任回避のような、米国と直結した歴史懸案を日本が覆そうとする現実を集中的に浮き彫りにする必要がある。このような動きは韓国に先立ち米国の国益を正面から侵害するということを悟らせ、米国が日本の妄動に直接ブレーキをかけるように導かなければいけない。
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