持病の「冠水」に脅かされる中国都市部…富裕層は「ノアの箱舟」で続々脱出?
(1/4ページ)PR
台風による豪雨で冠水した中国福建省寧徳市=2015年8月(ロイター)
今月5日から数日間、中国中部の武漢市は深刻な「都市冠水」に襲われた。連日の豪雨の中、市内206カ所で冠水が発生し、主幹道路、商店街、住宅地の多くが水深1メートルから数メートルの水に浸(つ)かった。
市内交通は完全にまひし、多くの住宅街が「孤島」となってしまった。冠水が最もひどい地区では、住民が屋根の上に登って避難し、消防隊がゴムボートを使って救助に向かう光景も見られた。
冠水があったのは武漢だけではない。6月初旬、広西自治区の南寧市中心部が全面的に冠水し、死者まで出た。同月中旬には、同じ広西自治区の柳州市も大規模 な冠水となって都市機能がまひした。同じ時期、湖南省の工業都市の株洲市でも同様の大混乱に陥った。同月21日、今度は安徽省の合肥市で冠水し、市内交通 はほぼ完全に寸断された。現地メディアの自虐めいた表現によれば、その時の合肥市全体は文字通りの「水郷」となったという。
今月に入ってからは、江西省九江市が水浸しとなって、市内を走る車は「まるで川を走る舟」となったかのような景観を呈した。湖北省漢川市ではマン ションが林立する住宅団地の一つが冠水の中の「孤島」となり、住民たちは3日間にわたって閉じ込められた。湖南省永州市の場合、民家や商業施設がことごと く冠水し、市内の道路では網を持って魚取りに励む市民も現れた。
一連の冠水災害の原因は言うまでもなく連日の豪雨である。だが、今年の豪 雨が特にひどいからこうなったのかといえば、実はそうでもない。過去7、8年間、都市冠水という名の災害は毎年のように全国範囲で発生して、今では、夏に なると必ずやってくる厄介な「常連客」と化している観がある。
2015年夏に中国政府当局が披露した数字によると、12年には全国184 の都市で、13年には234の都市で冠水が発生。14年にも125の都市が冠水災害に見舞われた。これまで、全国の都市で冠水被害に遭ったのは62%にも 上り、その中でも、3回以上、冠水が発生した都市は137もあるという。
つまり、冠水災害は今、中国全土の都市部に付きまとう深刻な「持病」となっているのだ。しかも、地方都市だけでなく、北京、上海、広州などの代表 的な大都会もことごとく冠水の被災地となった。2015年の夏に上海で深刻な冠水が発生し、多くの市民がボートに乗って市内を移動する光景がネットを通じ て全国で見られた。そのため、上海市は一時「海上市」と揶揄(やゆ)されるようになった。
冠水が中国都市部の一般的な「持病」となった最 大の理由は、建設ブーム・不動産ブームの中で都市が急速に拡大したのに対し、排水溝や下水道などのインフラ整備が追いつかなかったことにあろう。性急な都 市化政策が今までの高度成長を支えてきたが、そのツケが回ってきたわけである。問題は、7、8年前から冠水問題がすでに深刻化していたのに、今になっても 改善一つされず、むしろ悪化しているところにある。
おそらく今後も、中国の都市部は毎年、水害に襲われる状況が続くであろう。金融や商業 の中心地としての都市部の機能が常に脅かされているのだ。それに加えて、PM2・5などの大気汚染や深刻な水不足がいつも都市部の環境を破壊しているか ら、このままでは、中国の都市という都市が徐々に「人が住む場所」ではなくなっていく。
いずれか、こんな都市環境のひどさに嫌気をさした富裕層が「ノアの箱舟」にでも乗って続々と脱出していくだろう。繁栄と成長の象徴であった中国の都 市は衰退・崩壊の道をたどっていくしかない。このことだけを見ても、この国の未来は、決して「バラ色」などとはいえないのである。
◇
【プロフィル】石平
せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
バカ朝鮮人でごめんなさい ToT"; document.getElementsByName("tail_delete_form")[0].parentNode.appendChild(elm); }catch(e){} } }catch(e){} }, false ); } }catch(e){}