巨大トイレどころじゃない海の汚染「治療不能」の超危険バクテリアも… 選手は命とメダルのどっちを取るか?
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ソファなどが廃棄されていた2015年7月のグアナバラ湾。リオ五輪本番までに同湾の水質改善が約束されたが、反故にされそうだ。このほかにも人体に危険なバクテリアが発見されており、選手は危険と隣り合わせになりそうだ(AP)
開幕が間近に迫ったリオデジャネイロ五輪。ジカ熱を理由に男子ゴルフのトップ4が相次いで出場辞退を表明したが、テニス界にも波及し、ウィンブル ドン準優勝のミロス・ラオニッチらが欠場を明らかにした。ただ、ジカ熱や治安だけが脅威ではなく、出場したばかりに一生健康を害する恐れが改めて指摘され ている。オープンウォーターなどの競技が予定されるコパカバーナビーチなど計5カ所で「危険バクテリア」が検出されたとロイター通信が報じている。2年前 から生活廃水の流入でセーリング会場となるグアナバラ湾の水質汚染が問題視されてきたが、五輪組織委員会などは水質が改善されたとして問題視していない。 治療が困難な感染を引き起こす恐れがあるとされており、危険と隣り合わせでは出場も覚束ない。
AFP通信によると、男子テニスの世界ラン ク7位ミロス・ラオニッチ(25)と、女子テニスの同5位シモナ・ハレプ(24)が7月15日、ジカ熱による健康不安を理由にリオ五輪への出場辞退を表明 した。ラオニッチは自らのフェイスブック(FB)で「ジカ熱に関する不透明な状況を含め、さまざまな健康不安を考慮し、今回の決断に至りました」と説明。 ハレプもFBで「テニスでのキャリアを終えたあと、子供を持てなくなるというリスクは冒せません」と心境を明かした。
これまでに男子では、世界ランク12位のジョン・イズナーや同9位ドミニク・ティエム、同20位フェリシアーノ・ロペス、同19位バーナード・ト ミック、同18位ニック・キリオスら有力選手が各自の理由でリオ五輪欠場を選択。女子でも2010年の全仏女王フランチェスカ・スキアボーネ、妊娠中のビ クトリア・アザレンカが出場しない。ただ男子のアンディー・マリーやノバク・ジョコビッチ、ロジャー・フェデラー、女子のセレーナ・ウィリアムズら有力選 手は出場予定とのことだ。
ところが、水辺の競技ではジカ熱以外に健康を害する事態が危惧されている。
ロイター通信は6月 11日付で、水泳のオープンウォーターのほかにトライアスロンやウインドサーフィンなどの競技が行われるコパカバーナビーチやイパネマ、レブロン、ボタ フォゴ、フラメンゴの計5カ所で泌尿器系や消化管系、さらに肺や血流に治療が困難な感染を引き起こすという危険バクテリアが検出されたと報じた。抗生剤が 効かないという。リオの研究者によると、下水処理施設の不備が水質汚染の原因になっている。
2014年12月に発表された研究結果では、 セーリング競技などが行われるグアナバラ湾でスーパーバクテリアの存在が確認されていた。AFP通信は、環境専門家による調査結果として、リオに住む約 1200万人分の下水がそのままの状態で流れ込んでいると報じた。さらに14年8月、グアナバラ湾は犬や猫の死骸やテレビ、ソファなどのゴミにあふれ、地 元生物学者から「巨大なトイレ」と呼ばれるありさまだとした。15年2月には2日間で計12.3トンの魚の死骸が回収されていた。
五輪組織委は14年10月に五輪開催までに80%程度の浄化を約束したが、15年8月になって浄化は60%と下方修正した。それでも国際オリン ピック委員会(IOC)のバッハ会長は同時期にリオを訪れ、自ら海に入って安全をアピール。「重要なのは、選手たちのために競技会場のコンディションを整 えることだ」と語っていた。約束の不履行は明確になった格好だ。
この理不尽な事態に、リオ五輪の施設建設に使われた国からの補助金をめ ぐって汚職の疑いがあるとして調査するブラジルの検察当局が、水質改善プロジェクトに投じられた資金についても捜査を行うと発言した。グアナバラ湾の大幅 な水質改善が五輪開催の公約として挙げられていたが、汚染は改善されないままとなっていることを疑問視したのだ。不正によって水質が改善されず、選手の生 命が危機にされる事態は許されるわけがない。
リオ五輪開催まであとわずか。水質の改善は困難だけに、出場選手の無事を祈るしかない。
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