【コラム】韓国青年残酷史
2016年08月09日11時18分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] comment0
猛暑が占領した都心は寂寞としている。休暇に行ける人は行った。飛行機で、汽車で、乗用車で、普段の忙しい日常の中で授けられたヒーリングの村に向
かって旅立った。「がんばって働いたあなた、旅立て」――激務に苦しんだ心身を誘惑したある広告のコピーのように、数枚のクレジットカードと休暇費用を
しっかり準備して旅立った。旅立てない人たちが猛暑に疲れた都心を守った。がんばって働くこともできず、がんばって働く機会もなく、がんばって仕事をする
見通しも見えない世代、青年世代の話だ。来学期の学費と生活費を稼がなければならないコンビニエンスストアのアルバイト生、食堂のパートタイマー、家庭教
師、そしてスペックを積むのに余念がない就職活動生、試験を控えた各種考試生、臨時職と日雇い労働者。
ここに大学入試にすべてを賭ける高校生200万人を合わせると、16~29歳の青年世代が空っぽの都心を守ったという話になる。当然 そうすべきだと? 彼らは休暇を楽しむ資格がないと? 違う。韓国ほど青年世代に残酷な国はない。バカンスを業務より重視するフランスは青少年にも「休暇 享有権」を付与し歴史名所探訪、スポーツ活動、映画・演劇観覧用割引カードを提供する。名付けて「夏連帯」だ。スポーツを重視する英国は社会的弱者と青少 年に各種スポーツ施設、テニス、ボーリングを負担なく楽しめるよう「レジャーパスポート」を発行する。先日の閣議で言及されたオーストラリアの「青年手当 て」は寛大なことで有名だ。16~25歳の正規学生、職業訓練者、インターン、求職青年に毎月50万ウォンほどの激励金が支援され、26歳以上の成人も学 び続けようとするなら教育支援金を受けられる。言ってみれば「青年のための国」だ。お金が多いからでも、既成世代が寛大だからでもない。休暇と余暇は市民 教育だ。青年時代に市民精神を育て共存社会を作れという峻厳な命令で、未来の力を積み老後の責任を負うようにという既成世代の保険金だ。
韓国も官庁別に見てみるとこうしたタイプの支援金がないわけではないが、主に学業関連の奨学金が主流だ。学費補助、登録金半減、国家 奨学金、文化バウチャーなどがそれだが、主に社会的弱者と低所得層に集中している。地方自治体が青年と退職者のために求職・就職支援制度をたまに運営して はいるが、ドイツの連邦雇用庁、スウェーデンの労働市場局のように全国網と連結された総括体系はもちろんなく、所定の生計費も期待できない。金がないわけ ではない。そうした目的に金を使ってみたことがなく、さらには「ポピュリズム」あるいは「モラルハザード」と見なす。
「青年活動手当て」を強行したソウル市に対し与党報道官が浴びせた毒舌がそうだ。あれ ほど止めたのに自身の「政治的意図を貫徹させた」朴元淳(パク・ウォンスン)市長は「疎通の崖であり孤立無援将軍」というもの。理由は傑作だ。「誠実な青 年の夢と意欲を低下させモラルハザードを助長する」。
逆に尋ねたい。青年たちが絶叫する間に政府と与党は何をしたのかを。ソウルの青年144万人のうちせいぜい3000人、年間予算90 億ウォン程度を、それさえも「青春維持費」として「散布する」ことが朴元淳青年徒党を糾合することなのか? フランスの「夏連帯」予算は数百億ウォン、 オーストラリアの青年手当ては老齢年金と合わせ数十兆ウォンに達する。青年手当て・公共産後調理院を叫んだイ・ジェミョン城南市長を政府が防いだ。すべて 青年のための苦肉の策であるのに「普遍的福祉」がないという理由だ。違和感を助長しない青年適応手当てを新設すれば良くないか。情報映像世代の必需品であ るインターネット費用、新聞ジャーナル購読費、交通費、就職訓練費、求職費など青年福祉先進国が絞り出したプログラムの名称は多様で長い。リップサービス ばかり言う政府、自身が構築した生存法則に青年世代を閉じ込めてしまった既成世代に、そのようなリストは宇宙人の発想であり、自分の力で財を成した世代、 企業再建に12兆ウォンを注ぐ韓国政府に青年への現金散布は不道徳なだけだ。
ところで一度人口構造を見よ。10~29歳の年齢帯1240万人が50代以上の1750万人を食べさせなければならない日がまもなく 近づく。9歳以下の児童人口は450万人で半分だ。20年後に1人が4人を食べさせなければならない生き地獄になる。青年手当ては未来世代に対する小さな 貯蓄にすぎないのに。閣議でソウル市長と保健福祉部・雇用労働部長官の間で行き来した「激論」はわずか10分程度だった。報道によると大統領と閣僚、首席 秘書官は沈黙した。つまらないことなのでそうしたのだろうか、そうでなければ堰を切ってあふれ出るか恐ろしかったのだろうか。ところが翌日、大統領は少子 化問題を「国家存亡がかかった国政第1課題」と規定した。特別機関を作ったとも話した。青年手当てすら拒否するところに子どもを産む小さな家と一定の所得 をどうやって保障するということなのか。青年雇用のために始まった労使政合意も自分の分け前を確保するだけで解散した。青年を猛暑に追いやった現代版労役 制、これが韓国青年残酷史の現住所だ。
宋虎根(ソン・ホグン)ソウル大学教授・社会学
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