
中国が、北朝鮮の金委員長の暴走を座視できなくなったとき、韓国の危機が訪れる(AP)
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、中国の意思に逆らい、核・ミサイル開発を進めている。実戦配備されれば、北京や上海はその射程圏内となり、到底、中国として座視できるものではない。
しかし、中国が本気で制裁を加えれば、追い詰められた金氏が「暴発南進」しかねない。たちまち米韓軍に敗北し、朝鮮半島は韓国によって統一されてしまう。ならば、中国はどうするか?
手っ取り早い方法として、北朝鮮のトップを金氏から、兄の金正男(キム・ジョンナム)氏、あるいは中国の息のかかった人物に挿げ替えるだろう。北朝鮮を「中国の傀儡(かいらい)」にして、核・ミサイルや核施設を破棄させれば、北朝鮮の脅威はなくなる。
だが、話はここで終わらない。
中国の本音は、朝鮮半島全体を赤化して「米国への楯」にしたいのだ。北朝鮮を傀儡化した中国は、かつて北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席が描いたシナリオ通りに、韓国を吸収させようとするに違いない。
中国は手始めに、北朝鮮と韓国に「平和条約を結ぶよう勧告する」だろう。経済面で中国に依存している韓国は拒否できない。軍事境界線に配備した長距離砲の撤去など、非核化した北朝鮮が韓国の要求をのめば、平和条約は間違いなく締結される。北朝鮮への抑止力だった駐韓米軍も存在理由がなくなり、むしろ軍事費削減のため、さっさと撤退するはずだ。
次のステップは「南北連邦国家形成」である。中国の意を受けた北朝鮮の工作員が「今こそ悲願の統一だ」と民族感情を刺激し、韓国の人々は「一国・二政府・二体制での統一」という建前に熱狂する。結局、「高麗民主連邦」が実現する。
そして、最終段階が「北朝鮮体制での完全統一」だ。中国に操られた北朝鮮は「一国二体制は非効率だ。一方の体制に統一しよう」と国民投票を韓国側に呼び掛ける。人口が2倍いる韓国は「北朝鮮をのみ込める」と踏んで、これに応じるだろう。
だが、北朝鮮は約2000万人の有権者全員が北の体制を支持する。一方、韓国側の約4000万人の有権者はそうはいかない。仮に、投票率80%とすると投票者は約3200万人。うち、600万人以上が北の体制を支持すれば、北朝鮮側の勝利となる。
「財閥を潰して社会格差を無くせるなら」「地獄の生活苦から抜け出せるなら」など、韓国には国全体をガラガラポンしたい衝動に駆られる住民が大勢いる。
国民投票で選ばれるのは、恐らく北朝鮮側の体制だ。そうなれば、韓国は北朝鮮にのみ込まれて「中国の属国」と化し、人々からすべての人権が剥奪される。韓国は、真実の「HELL(地獄)のKOREA(韓国)」となるのだ。